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韓国統一部「正男氏殺害の黒幕は北朝鮮政権」と公式規定

登録:2017-02-20 00:47 修正:2017-02-20 07:18
19日午前、金正男氏暗殺容疑者として逮捕された北朝鮮国籍のリ・チョンチョル(47・右)がマレーシアのセパン警察署の取調室に移動している=セパン/シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 政府は19日、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男であり、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の異母兄弟の金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件の黒幕が「北朝鮮政権」であると、事実上公式規定した。

 チョン・ジュンヒ統一部報道官は同日午後、政府ソウル庁舎の合同ブリーフィングルームで緊急記者会見を開き発表した「金正男氏殺害事件関連のマレーシア捜査の発表に対する統一部報道官論評」を通じて「政府は容疑者5人が北朝鮮国籍者であることから、今回の事件の裏に北朝鮮政権がいると見ている」と発表した。チョン報道官は「北朝鮮政権が今年に入ってからも弾道ミサイルを試験発射するなど、核・ミサイル開発に盲目的に取り組んでいるのは、私たちが直面した安保上の脅威がどれほど深刻なのかを明確に確認させる」と付け加えた。

 ドイツで開かれるミュンヘン安保会議に出席中のユン・ビョンセ外交部長官は記者懇談会で「国際社会の指導者たちも今回の事件がとても残虐で深刻な事案であることを認識し、(北朝鮮問題について)より関心を持つのではないかと思う」と話した。

 朴槿恵(パク・クネ)政権のこのような「北朝鮮政権が黒幕」との公式規定は、マレーシア警察当局の態度とは対比を成している。マレーシア警察当局は当日午後、事件発生後初めての公式記者会見で、被害者を金正男氏ではなく「北朝鮮人のキム・チョル」と呼び、男性容疑者5人が北朝鮮のパスポートを所持していたと発表しながらも「北朝鮮政府当局」を黒幕と推定しない慎重な態度を堅持した。

 朴槿恵政権のこのような“勇み足の行動”の背景をめぐっては、分析が二つに分かれている。第一に、政府がマレーシア警察が公表しなかった事件の黒幕と関連した“決定的な情報”を持っている可能性があるという指摘だ。第二に、大統領弾劾局面で「金正男氏殺害事件」を早期大統領選挙と関連した国内政治に利用しようとする“政略的計算”が働いているという批判的分析である。

 チョン・ジュンヒ報道官は論評を発表した直後「政府が追加情報を持っているのか」という取材陣の質問に、「その問題は明らかにできない。あるともないとも言えない」とあいまいに答えただけで、口を閉ざした。これと関連し、ある政府関係者は「統一部は、事件の内容を正確に把握していないだけでなく、論評の発表を決定した主体でもない」と話した。

イ・ジェフン、チョン・インファン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/783273.html 韓国語原文入力:2017-02-19 18:53
訳H.J(1361字)

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