2~4日に行われたジェームズ・マティス米国防長官の韓国・日本歴訪を契機に、東北アジアの“新冷戦”が強化される兆しを見せている。就任したドナルド・トランプ米大統領時代の東アジア状況を予告するという点で憂慮される。韓国が均衡外交を通じて潜在的軋轢を減らし、北朝鮮の核問題解決に有利な雰囲気を作る必要性が一層高まった。
マティス長官が日本で出したメッセージは、対北朝鮮圧迫強化の他に3点あった。日本の防衛費増強を支持し、中国と日本が領有権紛争を行う尖閣諸島(中国名 釣魚島)が米国の防衛対象であることを確認し、中国の南シナ海関連活動を挑発的行為と規定した。すべて中国との対決を前提に日本を積極的に引き込もうとする内容だ。日本としては軍事大国化に対する米国の支持を確保したことになる。
中国が直ちに対応行動に出たのは、今後さらに強まる米国・日本と中国の正面対立を示している。中国は直ちに「釣魚島は中国固有の領土」として、海洋警察船を3日連続で接近させた。また、米国のミサイル防御体制を無力化しうる多弾頭大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験発射事実を確認し、在日米軍基地を打撃できる最新型準中距離弾道ミサイルを公開した。米国・日本と中国が力で対抗するこうした動きは、東アジアの緊張と局地的衝突の可能性を高めざるをえない。
こうした状況は、北朝鮮の核問題を平和的に解決し東北アジアの平和構造を作っていくべき韓国にとって大きな挑戦になる。特に米国が強調する韓米日軍事・安保協力の強化が、北朝鮮と中国を同時に狙っているため均衡感覚が必須だ。THAAD(高高度防衛ミサイル)の韓国配備と韓米日ミサイル防御協力問題などがそのような事例だ。さらには今後トランプ政権が中国を狙った南シナ海軍事活動に韓国の参加を要求する可能性もないわけではない。韓国が大きな視野を持って中心をきちんと捉えないならば、東アジアでの韓国の立場が狭まり、朝鮮半島の安保状況も一層悪化しかねない。
トランプ政権は「力を通した平和」を追求し、日本の安倍晋三政権は平和憲法まで投げ捨てようとしている。中国もまた、新大国関係を米国に要求し一寸も退こうとしない。韓国は彼らが作りつつある新冷戦ムードに便乗することなく、協力と共栄の余地を拡大する道を進まなければならない。