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韓国の高校検定教科書執筆陣50人が「教科書執筆拒否」宣言

登録:2017-01-20 23:22 修正:2017-01-21 07:04
14日午後、今冬一番の寒気の中で、ソウル光化門広場で開かれた12回目のろうそく集会に参加した全国歴史教師の会会員たちが、国定教科書反対のプラカードデモを行っている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 従来の高等学校検定歴史教科書の執筆陣が、政府の国定歴史教科書の廃棄を要求し、2018年の国定・検定混用方針による検定教科書の執筆を拒否することを宣言した。中学校検定歴史教科書の執筆陣も意見を集め、早ければ来週にも執筆拒否を宣言する予定だ。

 高校韓国史検定教科書筆者協議会(韓筆協)は20日、ソウル祭基洞(チェギドン)の歴史問題研究所で記者会見を開き、「教育課程の改正なき検定歴史教科書の執筆を拒否する」と明らかにした。韓筆協は従来の8種の検定教科書出版社のうち、教学社を除く7つの出版社の筆者53人が参加した協議体で、この日の執筆拒否にはこのうち50人ほどの筆者が賛同したと出席者は説明した。

 これらの執筆陣は「歴史教科書の国定化は、チェ・スンシルとともに民主主義を壟断して弾劾された朴槿恵(パク・クネ)大統領が陣頭指揮した」とし、「教育部は大統領府の指示通りに一つの歴史解釈だけを載せた国定教科書を制作した」と指摘した。彼らはさらに「国民の大多数が反対し、歴史教育界と歴史学界で国定教科書の廃止を主張したが、教育部は国定・検定混用の方針を発表した。これは内容面で国定教科書と類似した第2、第3の検定教科書を流布させることだ」と主張した。

 執筆陣は正常な検定教科書を制作するためには、最も優先的に教育課程と執筆基準を改正することが必要だと指摘した。彼らは「2015年の歴史科の教育課程は、中学・高校の連携や教育のバランスがとれていないという点で多くの批判を受けたにもかかわらず(2015年に)公表された」とし、「これをもとに、当初検定教科書用に作成された執筆基準を任意に80~90カ所修正して『国定教科書編纂基準』を作り、これを再び検定教科書にそのまま準用しようとするのは、国定教科書の類似品を作ることに他ならない」と話した。

 検定教科書の開発には少なくとも2年の時間が必要だという要求も付け加えた。筆者らは「いくら少なく見積もっても1年6カ月以上かかる検定教科書を、来年初旬までに1年で制作・配布するという教育部のスケジュールは、拙速な執筆につながり、ずさんな歴史教科書ばかりを量産すること」だとし、「良質な歴史教育を行うため、開発期間を最低2年以上保障すべきだ」と要求した。

 一方、9つの出版社の中学校検定教科書の執筆陣も、政府による国定教科書の使用強行に対抗し、執筆拒否に関する意見を集めている。富川(プチョン)の中遠高校のチョ・ハンギョン教師は「執筆者の意見を集め、早ければ来週にも高校教科書の執筆者たちのように執筆拒否を宣言する予定」と話した。

キム・ギョンウク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/779587.html 韓国語原文入力:2017-01-20 21:29
訳M.C(1402字)

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