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台湾問題・韓米原子力協定など外交懸案、そのままチェ・スンシルに流出

登録:2017-01-15 23:43 修正:2017-01-17 20:07
チェ・スンシル氏が今月13日午後、ソウル瑞草洞のソウル中央地裁で開かれた3回公判に出廷するため、裁判所に入ろうとしている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パク・クネ)大統領が、中国の「一つの中国」原則や韓米原子力協定など敏感な外交懸案に対する政府の対応内容が盛り込まれた外交文書を、チェ・スンシル氏に流出していたことが確認された。

 15日、特検と検察関係者の説明によると、朴大統領は就任直後の2013年3月、チョン・ホソン元大統領府付属秘書官を通じて、チェ氏に中国の習近平主席、米国のジョン・ケリー前国務長官、日本の安倍晋三首相らとの電話会談および接見資料をメールでチェ氏に流出した。大統領が(これから)外国の首脳などと対話する内容を、大統領府外交安保首席室が予め準備した資料だった。

 同年3月20日にチェ氏に渡された習主席と朴大統領の電話会談の資料には、2013年2月末の朴大統領就任式に王金平・台湾立法院長(国会議長に該当)など台湾代表団が出席したことに関連し、中国政府が問い合わせをしたという内容が含まれていた。これに対して政府は「王院長は、議員の招請で韓国を訪問したもので、就任式には出席できなかったはず」と答えたと、同資料には記録されている。1992年韓中国交正常化と共に、政府が「一つの中国」原則を受け入れた後、台湾側は公式には韓国の大統領就任式に出席できなかった。ところが、このような慣例が崩れたことに対して、中国側が抗議を兼ねた事実確認に乗り出したにもかかわらず、政府は「出席できなかったはず」というあいまいな回答をしたのだ。このような事実は、当時マスコミにはまったく公表されなかった。

 状況をよく知る外交部関係者は「中国政府が抗議ではなく、問い合わせをしていたようだが、私たちは『確認できなかった』と答えた」と話した。別の外交部関係者は「王院長は朴大統領の就任式に出席した」とし、「中国政府に何か言われたのは事実だが、円満に解決された」と話した。

 当時交渉が進められていた韓米原子力協定に関する政府の対応内容も流出した。2013年4月、ケリー米国務長官(当時)の訪韓を控えて作成された「ケリー国務長官接見資料」には、「私たちが『核燃料サイクル活動の完成』を強調する場合、米国側が濃縮と再処理をするという意味で受け止める可能性があるため、これを避けなければならない」、「来年(2014年)3月で満了予定の韓米原子力協定の期限を、交渉が完了するまで2年間延期する案が検討されている」などの内容が盛り込まれていた。交渉内容や戦略がチェ氏に流出したのだ。実際、韓米原子力協定の延長が公式発表されたのはケリー長官が帰国した後の4月中旬以降だった。

 軍事機密や外国首脳に対する評価も流出した。2013年4月に訪韓したアネルス・フォーグ・ラスムセン当時NATO(北大西洋条約機構)事務総長と朴大統領の会見資料には、「NATO側がアフガニスタンの軍警訓練に韓国教官の派遣を要請しているが、韓国政府は安全問題などを理由に派遣が難しいという立場」という内容が含まれていた。また、2013年3月初め、日本の安倍晋三首相と朴大統領との電話会談を控えて作成された「日本首相との電話会談資料」には、安倍首相について「母方の祖父の岸信介元首相の影響で、過去の問題や歴史認識に保守性向を持っている」とか、「夫人の昭恵氏は夫の人脈構築を助ける女傑スタイル」という敏感な人物評が盛り込まれていた。

 チョン元秘書官は捜査の過程で「チェ・スンシルに意見を求めるよう朴大統領に言われて(資料を)渡しただけで、外交上の秘密を漏洩するという認識はなかった」と語ったという。

チェ・ヒョンジュン、キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力: 2017-01-17 18:21

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/779133.html 訳H.J(1662字)

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