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財閥の「継承の公式」が変わる

登録:2017-01-03 23:57 修正:2017-01-04 16:22
主なグループの総帥と後継者の現況//ハンギョレ新聞社

 暁星(ヒョスン)グループと東亜(トンア)ソシオグループが総帥の生前に経営権継承を相次いで断行したことで、総帥の死後に継承が行われてきた韓国財閥の「継承の公式」に変化が起きている。

 暁星グループは昨年12月29日、チョ・ソクレ会長が退き、長男のチョ・ヒョンジュン社長が会長に昇進した。東亜ソシオグループも2日、カン・シンホ会長が退き、四男のカン・チョンソク副会長が会長に昇進した。両グループはいずれも創業2世から3世体制への転換だ。

 暁星と東亜ソシオの経営継承は、財閥総帥が寿命を全うしてようやく継承が行われてきた従来の継承の公式とは異なる「破格」という点で、韓国の財閥体制における大きな変化と受け止められている。主要財閥の中で総帥が生きている間に経営権を譲るという伝統が確実に定着しているのは、財界4位グループのLGがほぼ唯一だ。

 財界ではこのような変化を、昨年のロッテグループの兄弟間経営権紛争の教訓と解釈する見方が多い。財界20位のグループのある役員は「ロッテは辛格浩(シン・ギョクホ、重光 武雄)総括会長が90歳を過ぎで正常な経営活動が厳しいにも関わらず継承を遅らせ、辛東彬(シン・ドンビン、重光 昭夫)会長と辛東主(シン・ドンジュ、重光 宏之)前副会長の兄弟間経営権紛争を招き、グループ全体を危機に陥れたという指摘を受けたではないか」と話した。サムスンが李健煕(イ・ゴンヒ)会長の突然の空白以降、経営権承継リスクと携帯電話事業の苦戦などビジネスリスクが重なり、危機を迎えたのも反面教師となっている。

 チョ・ソクレ会長とカン・シンホ会長は膝下にそれぞれ息子三人と四人がいるが、息子と激しい衝突を経験したという共通点を抱えている。チョ会長は次男のチョ・ヒョンムン元曉星重工業副社長と、経営哲学や経営方式の違いをめぐる衝突で分かれた後、2013年から事実上絶縁状態だ。カン会長も、後継者を次男のカン・ムンソク副会長から四男のカン・チョンソク副会長に交代させ、2004年以降次男と何度も衝突を経験した。

 チョ・ソクレ会長は82歳で高齢である上、健康悪化と刑事裁判の負担も作用した。チョ会長は2010年に見つかった癌の治療が6年以上長期化している。また、昨年一審裁判で脱税容疑が認められ、懲役3年と罰金1365億ウォン(約134億円)を宣告された。曉星の関係者は「チョ会長が治療と裁判のために正常な出勤をほとんどできず、昨年初めから経営継承問題が提起された」と耳打ちした。カン・シンホ会長は90歳だ。財閥の総帥の中ではロッテの辛格浩総括会長(95)に次いで2番目の高齢だ。グループ内では、昨年末社長団人事の際に世代交代が断行された時から経営継承が予見されていた。

 財界の関心は、次に経営継承が行われる可能性が高いグループはどこかに注がれている。財界2位の現代(ヒュンダイ)自動車の鄭夢九(チョン・モング)会長は1938年生まれで、来年80歳だ。先月チェ・スンシル氏の国政壟断関連の国会聴聞会に証人として出席した時、国会議員らの質問の内容をきちんと理解できていないような様子を見せもした。鄭会長の一人息子のチョン・ウィソン副会長は47歳で、2005年に起亜(キア)自動車社長を経て、2009年から現代自動車副会長を務めている。ある現代自動車グループの元役員は「鄭夢九会長は現代自動車を世界の自動車業界5位に引き上げた主役だが、最近は肉体的・精神的に以前の姿ではない。現代自動車が危機状況で新しい変化を果敢に試みるよりも、現状維持に汲々としているように映るのもこれと無関係ではないという見方が多い」と話した。

 経済改革連帯のキム・サンジョ所長は「財閥はすでにグローバル企業に成長したため、経営権継承は単純な総帥の家族問題ではない」とし、「王の死後になって太子が即位する封建王朝式の継承方式から脱却するのはもちろん、後継者が最高経営者に就く前に経営のビジョンとリーダーシップを十分に評価される経営能力検証プロセスまで含めた『最高経営者継承プログラム』を施行しなければ、今後は3世の成功はもちろん、会社の発展を保障できない時代になった」と話した。

クァク・チョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/777183.html 韓国語原文入力:2017-01-03 21:46
訳M.C(1981字)

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