韓国企業は未だ初期技術水準
グーグル車など追跡に拍車
早ければ年内にも、全国の高速道路や一般道路で自律走行自動車を頻繁に見ることができるようになる見込みだ。 韓国政府が自律走行(self-driving)自動車の試験運行区間を、市街地を含め全国に拡大することにしたためだ。 だが、韓国国内の道路で自律走行を実現するまでには、今よりはるかに進んだ技術と安全性を確保しなくてはならない課題が残っている。
国土交通部は18日、第5回規制改革長官会議で、新しい類型の交通手段に対する制度改善と支援方案を含む自律走行車規制革新方案を発表した。
政府案はこれまでの自律走行関連方案と比較して前向きな措置と評価されている。 最も目につくのは、自律走行車の試験運行許可区域を「ネガティブ(不許可項目だけを提示)方式」に切り替えることにした点だ。 今回の措置は、これまでは技術水準や安全問題を考慮して一定区間だけで制限的に試験運行を許容していたが、多様な環境で試験運行できるように保障して技術開発を促すとの趣旨が入れられた。 国土部のイ・スンホ交通物流室長は「これまで規制中心だった自動車関連制度を、多様な先端未来型交通手段の登場を包容できる受容的な制度に脱皮させた」と話した。
これまで韓国国内では、法と制度が不備で現実と乖離していることにより自律走行車の商用化が遅れているという指摘が絶えなかった。 自動車業界は今回の措置を大いに歓迎した。 現代自動車グループは「これまで6区間で制限的に許容されていた試験運行区間を全国に拡大するなど前向きな措置」と評価した。
自律走行技術は世界自動車業界のホット・イシューだ。 多くの市場調査機関は2020年前後に自律走行技術の本格的商用化時代が開かれると予想している。 すでにゼネラルモータース(GM)、ベンツ、トヨタ、ボッシュなど完成車と部品業者だけでなく、グーグルやアップルなど情報技術(IT)企業も自律走行車開発に加わっている。 市場調査企業IHSは、自律走行車の販売量が2025年23万台から2035年には1180万台に急増すると予想する。
自律走行車の初期段階技術は最近韓国で発売された新車にも適用されている。 現在の自律走行区分は米国道路交通安全局(NHTSA)で定義した自律走行技術段階に従っている。 1段階は調香、制動、加速中の一機能だけ自動化されたものを意味する。 2段階は二つ以上の運転支援機能を備えた車両だ。 最近登場した自律走行技術を装着した自動車の大部分が2段階に該当する。
すでに2009年から自律走行車プロジェクトを進行中のグーグルは、実際の道路環境で240万キロメートルを走行し商用化を目前に控えている。 最近の電気自動車人気を煽ったテスラ、BMW、ベンツも早ければ2020年に自律走行車を発売する予定だ。
現代自動車は昨年11月、自律走行車による実際の道路走行に成功した。 完全自律走行車は2030年の発売を目標にしている。 サムスン電子も昨年末、自動車電装技術チームを新設し研究員を拡充するなど自律走行技術開発に参入した。
自律走行技術の商用化は時間の問題で、未来自動車産業の生存競争にあって核心技術と認識されている。 しかし、韓国国内で自律走行を実現するためにはまだ解決しなければならない課題が多い。 政府が民官協力機構である「自律走行車融複合未来フォーラム」をスタートさせ、先端検査研究センターを作ろうとしているのもそのような努力の一環だ。
政府は2020年に自律走行車の商用化を目標にしている。 特定の交通状況を設定し、繰り返し実験して評価することができるよう実験都市(K-City)も2018年に京畿道華城(ファソン)に作る計画だ。 また、超小型電気自動車のような先端未来型交通手段の場合、安全性などに関する国内基準がなくとも海外の基準を適用して先ず運行できるように制度を直すことにした。 ルノーサムスンはこの日、超小型電気自動車に対する規制緩和措置が出てくるとルノーが開発した1~2人乗りの超小型電気自動車「トゥイジー」を今年下半期から販売すると明らかにした。