満19歳以上の1006人のうち80%
「解決すべき現在進行形の事件」
忘却と記憶の間の「矛盾した感情」
「人々がこの事件にうんざりした時は、一度自分のことだと考えてみてほしいです。そのようなことがまた起きるかもしれないから...」(セウォル号の生存学生の口述集『また春が訪れるでしょう』の中で)
悲しみは怒りとなって込み上げ、怒りはまた挫折に変わった。セウォル号から救助された檀園高校生徒のキム・スヨンさん(20)は、淡々と「記憶してほしい」という言葉を残した。セウォル号の惨事から2年が過ぎた。真相究明の作業は遅く、船はまだ海の中に沈んでいる。これ以上悲しむことも難しいセウォル号の被害者と家族たちは、キム氏のように世間に忘れられることを心配しているかもしれない。
事故2周年を迎え、ハンギョレは、韓国の人々の心の中にセウォル号がどんな姿で記憶されているか調べてみた。ハンギョレ経済社会研究院の社会調査センターとの共同企画で、先月末、19歳以上の男女1006人を対象に、セウォル号についての世論調査を行った。セウォル号に対する韓国社会の本音を、世論調査を通じて窺うのは事実上初めての試みだ。
調査結果によると、回答者の10人のうち8人(79.9%)が「セウォル号は韓国社会が解決すべき現在進行形の事件」と答えた。今もセウォル号の惨事を「頻繁に、または時々思う」という回答が4人のうち3人の割合(75.7%)だった。セウォル号を記憶しており、忘れることができないとの認識が強く表れた。一方、2人のうち1人の割合(53.5%)で、「忘れたい気持ち」があると答え、いわゆる「セウォル号疲労度」を隠せなかった。セウォル号事故に対して「忘れたいけど、忘れられない」複合的かつ二重的な認識を示した。
国に対する不信感はまだ強かった。どのような状況でも、国が自分の命と安全を守ってくれると信頼している回答者は22.7%にすぎなかった。世代別では30代と40代で不信感の度合いが高かったが、それぞれ7.4%、12.9%しか国への信頼を示さなかった。
政府の真相究明が不十分だというのにはほとんどの人が同意した。回答者の5人のうち1人だけが「セウォル号に対する徹底した、聖域なき真相究明がうまく行われている」と答えた。真相究明と関連し、最も信頼に値しない機関は大統領と政府(42.8%)で、共に民主党などの野党(11.7%)、マスコミ(11%)、セヌリ党(5.4%)、司法(4.0%)などがその後を続いた。 「分からない」は24.2%だった。
韓国語原文入力: 2016-04-15 19:25