今月末か来月初め飛ばす予定
偶発的な衝突の恐れなど、緊張高まる
北朝鮮の4回目の核実験以後、対北朝鮮拡声器放送を再開した軍当局が、5年ぶりに対北朝鮮ビラ散布を準備していることが分かった。南北間の軍事的緊張で張り詰めた空気が流れる中、北朝鮮を刺激しかねないという懸念の声も上がっている。米国と中国が制裁局面を終え、対話再開の方案を協議しようとする動きとはかけ離れた対応だ。
合同参謀本部は26日、「(対北朝鮮)心理戦作戦、(対北朝鮮)ビラ(散布と)関連し、公式的には内容を話すことも、確認に応じることもできない」と発表した。しかし、軍関係者は「内部的に準備していると聞いている」と述べた。合同参謀は先月、北朝鮮が朴槿恵(パククネ)政権を露骨に誹謗する内容のビラを飛ばしたことを受け、「韓国軍はいつでもビラ作戦を実施する用意ができている」と明らかにした。
ハン・ミング国防長官も23日、国会国防委員会で対北朝鮮ビラ散布について「軍は(ビラを散布できる)能力を持っており、必要性を検討し、十分備えている」と答えた。軍当局は、風の方向が変わる2月末から3月初め頃、対北朝鮮ビラ散布を再開する見込みだ。民間団体とは異なり、軍は衛星位置確認システム(GPS)などをつけてビラを目標地点に比較的正確に散布できると見られる。
北韓大学院大学のヤン・ムジン教授は「軍当局が対北朝鮮ビラを散布するということは、政府が北朝鮮を全方位から圧迫するという意味」と説明した。また「北朝鮮が軍事的に対応する可能性は高くない」と予想しながらも、偶発的な衝突の可能性は排除しなかった。東国大学のキム・ヨンヒョン教授も「民間団体による対北朝鮮ビラ散布でも波紋が広がっている状況で、国防部が『目には目を、歯には歯を』といった対応をするのは、中長期的に南北関係を解決していくのにあまり役に立たない」と話した。特に、北朝鮮軍が2014年に韓国の民間団体が打ち上げた対北朝鮮ビラ散布用バルーンに、高射砲を撃って反発したことを挙げ、「北朝鮮の対応によっては、緊張が激化する恐れもあるため、慎重に判断すべきだ」と指摘した。軍当局は、2010年延坪島(ヨンピョンド)砲撃以降、対北朝鮮ビラ散布を一時的に再開したことがある。
韓国語原文入力:2016-02-26 19:22