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[社説]「慰安婦集会」制止に強権振るう韓国警察

登録:2016-01-11 06:57
大学生一つの民族など日本軍「慰安婦」韓日交渉廃棄のための大学生対策委員会メンバーと大学生が3日、ソウル鍾路区の駐韓日本大使館前で屈辱的な日本軍慰安婦韓日交渉廃棄を主張し座り込みをしている=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 韓日政府の「12・28慰安婦問題合意」を批判する集会・デモを警察が過度に弾圧している。「平和の少女像」前で開かれた集会に、事前申告されたより多くの人数が参加したという理由だけで、主催側を捜査すると出てきた。少女像を守るために徹夜で座り込みをする大学生が寝袋を使ったことも「集会申告書に記されていない物品」として違法扱いしている。このような形で言葉尻を捉えようとするなら、違法のレッテルを付けられない集会デモはない。

 警察がささいな言葉尻を捉えて政権の意に沿わない集会デモを不法に追い込むならば、これは私たちの憲法が禁じている「集会・デモに対する許可制」と違わない。大学生が12・28の合意廃棄を要求する記者会見でスローガンを何度か叫んだのをめぐって、警察は「未申告集会」として出頭命令書まで大量に出した。大学生たちは「これまで多くの記者会見でスローガン斉唱はあったが、出頭要求書が発送されたのは国定教科書反対と韓日協議案反対の記者会見だけだ」と話している。警察が政権レベルで敏感に受け止める問題について選別し、表現の自由を抑圧していることをよく示す事例である。

 警察はこれまで少女像の近くでの集会デモを特別扱いなしに保障していながら、12・28合意で政府に対する批判が強くなった後は厳しい態度に翻ったのは、裁量権を乱用しているという明白な証拠だ。同じ集会デモでも政権の判断によって保護対象から弾圧対象にあっという間にひっくり返されうるとはあきれる。駐韓日本大使館前で24年間毎週開かれてきた水曜デモをめぐって、警察が今になって「国民感情を考慮した例外的な許容」だったと言うのを見ると、「原則と例外」の概念さえ分からなくなってくる。

 このような状況で警察が強調する「遵法」集会デモは空々しい言葉の遊びにきすぎないものだ。違法の有無を区別する基準ですら「飴売りの勝手放題(いいかげんなさじ加減)」であるのに、遵法が可能なのだろうか?

 警察は政権に対する忠誠心の表明ばかりに汲々として法規定を判断して適用するなら、遵法を語る資格はなおさらない。警察は全国民主労働組合総連盟のハン・サンギュン委員長に無理やり騒擾罪を適用して恥をかいたし、ソウル広場の集会を執拗に禁止しようとして裁判所から制止された。警察が法理と常識をもてないでいることを示す端的な例だ。そのような警察に集会デモの事前禁止や事後規制の強大な権限を任せているのは民主主義を危うくしているのである。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016/01/10 18:48

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/725490.html 訳T.W

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