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『帝国の慰安婦』著者起訴... 慰安婦被害者の名誉毀損

登録:2015-11-20 01:03 修正:2015-11-20 05:42
『帝国の慰安婦』//ハンギョレ新聞社

 ソウル東部地検刑事1部(部長クォン・スンボム)は、学術書『帝国の慰安婦』が歴史的に証明された客観的な事実とは異なり、日本軍の慰安婦強制動員を否定し、日本軍慰安婦を「自発的売春婦」というなど、虚偽の事実で日本軍慰安婦被害者の名誉を毀損したとして、著者のパク・ユハ世宗大学教授(日本文学)を在宅起訴したと19日、明らかにした。

 2013年8月に出版された同書に対し、慰安婦被害者たちは昨年6月、著者のパク教授を名誉毀損容疑で告訴した。検察は、国連の調査資料と大韓民国憲法裁判所の決定、米国連邦下院決議、日本の河野談話など、客観的な資料を収集してパク教授の本と比較分析した結果、パク教授が同書で慰安婦被害者に対して「日本軍慰安婦は、基本的に売春の枠組みの中にある女性」、「自発的売春婦」と描写し、「日本国に対して愛国心や誇りを持って、日本人兵士たちを精神的、身体的に慰安してあげる慰安婦として生活しながら、日本軍と同志的な関係にあった」と書いたことが虚偽の事実に当たると明らかにした。

 検察はまた、パク教授の本が日本軍慰安婦被害者の人格権と名誉権を著しく侵害しており、憲法が保障した言論・出版の自由と学問の自由を逸脱したと付け加えた。

 以下は『帝国の慰安婦』の内容のうち、検察が虚偽の事実だと判断した部分だ。

 「朝鮮人慰安婦の苦痛が日本人娼妓の苦痛と基本的に変わらないことをまず知る必要がある」

 「『慰安』は、過酷な食物連鎖構造の中で、実際にお金を稼げたものは少なかったものの、基本的には、収入が予想される労働であり、その意味では『強姦的売春』だった。あるいは『売春的強姦』だった」

 「朝鮮人『慰安婦』を指す『朝鮮ピー』という言葉は、朝鮮人に対する露骨な蔑視が現れている。兵士たちが彼女たちをこうも簡単に強姦できたのは、彼女たちが“売春婦”だったからでもあるが、何よりも“朝鮮人”だったからだ」

 「そのような精神的な”慰安者”としての役割―自分の存在に対する(やや無理があるとしても)誇りが、彼女たちが直面していた厳しい生活を耐え抜く力になっただろうというのは、十分に想像できる」

 「それは朝鮮人慰安婦と日本軍の関係が、基本的には、同志的な関係だったからだ」

 「日本人、朝鮮人、台湾人『慰安婦』の場合、“奴隷”的ではあったものの、基本的には軍人と“同志”的な関係を結んでいた」

 「ホロコーストには『朝鮮人慰安婦』の持つ矛盾、つまり被害者でありながら、協力者という二重の構図はない」

 「『朝鮮人慰安婦』は、被害者であったが、植民地人としての協力者でもあった」

 「『慰安婦』を“誘拐”して“強制連行”したのは、少なくとも、朝鮮の土地では、そして公的には日本軍ではなかった」

 「少なくとも“強制連行”という国家暴力が朝鮮の慰安婦に対して行われたことはない」

ホスン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-11-19 12:12

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/718149.html 訳H.J

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