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[社説]南北の離散家族再会を交流・協力拡大につなげるべき

登録:2015-10-24 11:17 修正:2015-10-24 11:20
第20回離散家族1回目の再会行事の最終日である22日午前、江原道高城郡金剛山離散家族面会所の前で南側のイ・スンギュさん(最前列右)が新婚の時に別れた夫のオ・インセさんの頬をなでながら、最後の挨拶をしている=金剛山/シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 南北離散家族再会が金剛山(クムガンサン)で順調になされている。対北朝鮮強硬基調を確認した韓米首脳会談など様々な障害要因があったが、北朝鮮も行事を成功させる努力をしているようだ。「8・25合意」の歯車が回り始め、交流・協力拡大などの南北関係の進展を続けるべきだ。これは北朝鮮の核問題解決を後押しする動力を確保する過程でもある。

 改めて実感するのは離散家族の高齢化だ。80歳代以上が過半数になり、直系の家族同士の再会はますます減っている。2泊3日で2回ずつ進行される今回も、再会者の健康問題が心配されるほどだ。60年以上別れていた再会者がすぐに互いを気づき抱き合うほど血は水より濃い。しかし時間は離散家族を待ってはくれない。1988年以降、大韓赤十字社に登録された再会申請者13万人余りのうちの半分ほどがすでに亡くなっている。現在のような方法では明らかに限界がある。

 離散家族問題の進展と南北交流・協力拡大はコインの裏表と同じだ。南がいくら離散家族問題の緊急性を強調しても、北が応じなければブレーキがかかる。離散家族の生死確認、手紙の交換、再会の定例化、故郷訪問、自由往来などは、それぞれ南北関係のレベルを反映するしかない。離散家族問題を解決するためにも南北関係改善のスピードを上げねばならない。交流・協力拡大の核心は経済協力の活性化である。その中でも金剛山観光の再開が出発点になる。金剛山観光は離散家族再会と経済協力をいっそう円滑にする支えになる。離散家族の面会場所が金剛山に用意されていることも金剛山観光事業の成果があったためだ。

 北朝鮮が今回の行事に同行した韓国の記者団のノートブックを無理やり検閲したのは残念だ。このようなやり方は相互の尊重が求められる南北関係を損ねかねない。北もささいな問題で南の世論が悪くなるのは望まないはずだ。

 離散家族の痛みは朝鮮民族全体の痛みだ。過去のように再会が中断されることが再びあってはならない。南北関係は今や過去7年余りの間の暗黒期から抜け出して動きだした。南北ともに難問があっても解決するという意思が必要だ。早急に当局の会談が開かれることを期待する。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/10/23 18:23訳T.W

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/714238.html 訳T.W

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