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政府の教科書国定化発表後に豹変する韓国保守メディア

登録:2015-10-16 08:13 修正:2016-04-27 12:20
右向け右と命じられるまま保守メディアは右へ//ハンギョレ新聞社

 韓国史教科書を国定化にさせる政府・与党の動きに批判的だった保守系メディアが、政府の国定化発表後に以前とは全く異なる態度を示している。発行体制の根本的な問題は伏せ、「この際、正しく作るべきだ」と国定教科書に積極的に力を添えようとしている。

 12日に教育部が教科書国定化決定を発表すると、中央日報は13日から「歴史教科書、この際は正しく」と題した企画シリーズを出し始めた。シリーズ初回の記事は「この際、多少のことでは揺らぐことないレベルの高い歴史教科書を作らねばならないという提案も相次ぐ」とし、「進歩系・保守系すべてが同意できるレベルの教科書を作ろう」という主張を展開した。

 同日付の社説でも「政府が国定教科書を押し通すのは非常に遺憾だ。しかし、どうせ発行することに決めたのだから正しく作らねばならない」と主張した。

 このシリーズでは特に「現行検定教科書は左翼偏向」という政府・与党の主張を積極的に反映させた。13日付「教科書に隠れた偏向…朴槿恵(パク・チョンヒ)の写真1枚、金大中(キム・デジュン)4枚、金日成(キム・イルソン)3枚」と題したトップ記事は、「理念と政派が異なる人物と事件に対する良くも悪くもある感情を巧妙に取り込んだニュアンスの差」とまで書き、現行教科書が“左翼偏向”だという主張を際立たせた。

 ほんの1カ月前、同紙は“国定発行”そのものの問題点を指摘し、国定化の試みに鋭い批判の矛先を向けていた。9月4日付「歴史教科書、国定発行は代案にならない」と題した社説は「(教科書)国定は“官製史観”を強いる北朝鮮やベトナムなどごくわずかに過ぎない。国定は良き代案にはならない」と主張していた。

 他紙の姿勢の変化も明確だ。「多様な教科書を発行できるようにしつつ、未来世代が正しい歴史観・国家観を持つように執筆基準と検証を強化しなければならない」(9月10日付社説)と主張した文化日報は、14日の企画記事で「(歴史学者が)執筆に参加せずに保守指向の執筆陣だけによる中途半端な教科書を作らせた後、それを批判する可能性がある」という教育部関係者の話を引用し、それとなく“執筆拒否”の歴史学者に責任を転嫁した。「国定化は最後の代案でなければ」(9月11日付社説)とした東亜日報は13日付で「正しい歴史教科書を作ろう」という企画シリーズを、「国定教科書だけで歴史を教えることが最善の選択とは言い難い」(9月12日付社説)とした朝鮮日報も、14日から「韓国史検定教科書これが問題」と題した企画シリーズを始めた。

 しかし、「国家が歴史解釈の権利を奪う」(イ・ハキョン中央日報論説主幹の9月9日付コラム)ことで作られる“官製史観”では、決して正しい教科書を作ることができないという事実は、誰より保守メディアがよく知っているはずだ。

チェ・ウォンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-10-15 23:41

https://www.hani.co.kr/arti/society/media/713114.html 訳Y.B

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