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北朝鮮、朴大統領の国連演説に反発し「離散家族再会は風前の灯」

登録:2015-09-30 23:02 修正:2015-10-01 07:17
茫然自失とした表情のお年寄りが力ない手ぶりで長い別れと短い出会いを惜しんでいる。2003年9月25日、金剛山で開かれた第8回南北離散家族再会の場面=資料写真//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が8・25合意以後初めて「離散家族再会がこわれることもありうる」という警告を出した。 北朝鮮が長距離ロケット発射や核実験を実施した時、国際社会と韓国側の制裁が決まれば、離散家族対面行事を取り消すこともありうるという可能性を示唆したと見られる。

 北朝鮮祖国平和統一委員会は29日夜、スポークスマン談話を通じて前日に行われた朴槿恵(パク・クネ)大統領の国連総会基調演説に対して「南朝鮮当局の無分別な対決騒動で、離散した家族、親戚の再会も風前の灯と言える危険な状態に置かれている」として「南朝鮮当局者が今のように対決悪罵を続けるならば、せっかくの合意も無に帰すこともありうるというのが内外世論の一致した声」と述べた。 これに先立ち朴大統領は、国連総会演説で北朝鮮に対して核開発と長距離ロケット発射を放棄するよう要求した。

 韓国政府は強い遺憾を表明した。 チョン・ジュンヒ統一部報道官は30日、定例ブリーフィングで「大統領の国連演説などを一方的に歪曲・非難し、特に南北高位級接触の合意事案であり人道的事案である離散家族対面行事に対しても『危険な状態』と威嚇するのははなはだ遺憾だ」として、「離散家族再会をはじめとする人道的問題を、政治・軍事的理由でこれ以上無視されてはならない」と述べた。

 北朝鮮が状況が変わったと宣言したわけではないという点で、今のところは対南圧迫次元で離散家族カードを持ち出したものと見られるが、北朝鮮が可能性を示唆した長距離ロケット発射や核実験を実際に行い、その結果として国際社会と韓国側の追加制裁がなされる場合、離散家族対面もまた無に帰す可能性があることを表わしたものという観測が出ている。 コ・ユファン東国大北韓学科教授は「北朝鮮が挑発した際に国際共助次元で対北朝鮮制裁が発動される状況になれば、北朝鮮が離散家族対面はできないと出てくることがありうる」と話した。

 政府は北朝鮮の挑発があったとしても離散家族対面は予定通り進めなければならないという方針を立てている。 朴大統領も国連総会演説で「離散家族対面をはじめとする人道主義問題が政治・軍事的理由でこれ以上無視されてはならない」と話したことがある。 だが、北朝鮮のロケット発射→韓国側の対北朝鮮制裁→北朝鮮の離散家族対面中止宣言につながる可能性は否定できない。

 こういう点を挙げて専門家たちは、北朝鮮の挑発を防ぐ“予防外交”次元で南北当局会談を10月10日以前に開くよう注文を出している。 韓国政府もまた、このような方案を含めて多様な方案を検討しているものの、当局会談開催の有無は不透明な状況だ。

 このような渦中でも10月中の南北労働者サッカー大会開催のための協議などが続いているのは、小なりといえども肯定的信号だ。 30日、開城(ケソン)では韓国労総と民主労総関係者7人と北側の朝鮮職業総同盟関係者らが会って、大会の開催時期と場所などを議論する実務協議が開かれた。 南北労働者統一サッカー大会が実現すれば2007年以後8年ぶりとなる。

キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/710851.html 韓国語原文入力:2015-09-30 19:51
訳J.S(1535字)

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