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南北合意でも「対北ビラ散布」「北朝鮮ロケット発射」の不安要素

登録:2015-08-27 00:50 修正:2015-08-27 13:39
南北関係に潜伏している対立の要因 //ハンギョレ新聞社

 今月25日の「2+2」高位級会談の劇的な合意で、南北関係が新たな段階に入る可能性があるという見通されるが、小さな火種があっという間に大火災に発展する朝鮮半島情勢の性質上、先行きはまだ楽観視できない。

 まず北朝鮮が敏感に反応してきた対北ビラ散布の問題が再び浮上する可能性がある。対北ビラを公開散布してきたパク ・サンハク自由北韓運動連合代表は26日、ハンギョレとの通話で「誠意ある謝罪と再発防止の約束を取り付けるまで、対北拡声器放送を続けるべきだった。交渉はうまくいかなかった」とし「交渉期間中は風船を飛ばさなかったが、今は天気を考慮して対北ビラを引き続き散布する計画だ」と述べた。同団体は、すでに10月10日の北朝鮮労働党創建70周年記念日に合わせて、公開的な対北朝鮮ビラ散布を予告した状態だ。

 政府は、基本的には「表現の自由」を掲げて、対北ビラ散布行為を制御するわけにはいかないという立場を取っている。ただし、北朝鮮が昨年10月、京畿道・漣川(ヨンチョン)の非武装地帯(DMZ)でビラを載せた風船に飛ばしたことを受け、高射砲10発を発砲するなど、原点打撃を公言している以上、国境地域の「住民の安全」を考慮して公開行事は自制してもらいたいと協力を要請する程度で対応している。チョン・ジュンヒ統一部報道官は26日、ブリーフィングでも「憲法上の表現の自由を尊重すべきだという点と、被害を被る可能性がある他の国民の権利との公平性を考慮すべきだという点を踏まえて、この問題に対処していく」と述べた。しかし、北朝鮮はビラ散布行為の全面中断を要求しており、今後、衝突が再燃する可能性もある。北朝鮮は昨年も対北ビラ散布を問題視して、予定されていた次官級の南北高位級接触を取り消し、休戦ラインの緊張を高めている。

 10月10日の党創建70周年記念日を前後にして、北朝鮮が人工衛星の打ち上げを名分に長距離ロケットを発射するかもしれないという国内外の見通しも、南北関係の進展における悪材料となっている。国際社会がこれをミサイル発射試験に規定して対北制裁に乗り出す場合、南北関係もこれに巻き込まれて後退する可能性が高い。

 今月20日再開されて25日の昼12時から中断された対北朝鮮拡声器放送も、まだ火種として残っている。南北は合意文で韓国の対北放送の中断を宣言し、「異常事態が発生しない限り」という条件をつけた。しかし、「異常」の定義は、韓国と北朝鮮で異なる場合があるというのが問題だ。南は西海(黄海)北方限界線(NLL)の侵犯や核・ミサイル実験などを、北朝鮮は韓米合同軍事演習や対北朝鮮ビラ散布などを問題視する可能性がある。ヤン・ムジン北韓大学院大学教授は「『異常事態』をめぐる南北の意見差で議論が触発されて緊張が高まる可能性がある」と述べた。

 このような潜伏要因を乗り越えるためには、南北間の正確な相互認識と理解が必要だと指摘される。キム・ヨンチョル仁済大学教授は「北朝鮮体制の特性上、過剰忠誠をする過程から、いわゆる『最高尊厳』を冒涜するビラ散布や拡声器放送にアレルギー反応を示さざるを得ないという点を理解しなければならない」と述べた。北朝鮮もまた、韓国の敵対感を刺激する可能性のあるロケット発射や休戦ライン挑発などを自制すべきだも指摘される。カイストのキム・ジンヒャン研究教授はFacebookに掲載した文で「やっとのことでつかんだ和解協力のきっかけが、いつでも別の分断メカニズムによって、瞬く間に水の泡になるかもしれない。分断はそれほど強固なシステムだ」とし、互いに慎重な姿勢が必要だと述べた。

キム・ウェヒョン、キム・ジフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-08-26 19:54

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/706137.html  訳H.J

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