本文に移動

衆議院で安保関連法案を強行採決

登録:2015-07-15 23:50 修正:2015-07-16 10:14
日本の衆議院平和安全法制特別委員会の浜田靖一委員長(自民、右から2人目)が15日「憲法違反」「審議が不十分」と叫ぶ野党議員に囲まれている。この日、安保法案は与党の賛成多数で可決された=東京/AP聯合ニュース

 15日正午、日本が集団的自衛権を行使するため安倍政権が推進してきた安全保障法案を審議する日本の衆議院特別委員会は乱闘場に変わっていた。浜田靖一特別委委員長が安保法案審議を終えて表決を押し切ろうとすると、「強行採択反対」「アベ政治を許さない」等のプラカードを持った野党議員が飛び込み演壇を占拠した。

 抵抗はそこまでだった。 第一野党である民主党の大串博志・国会対策副委員長が手を伸ばし浜田委員長が手に持った書類を奪おうとしたが届かなかった。安倍晋三首相を相手に集団的自衛権の論理的矛盾を鋭く追及してきた辻元清美議員の切ない呼び掛けも騒々しい攻防の中に埋もれてしまった。

 浜田委員長は野党議員の抗議を制圧しながら、自衛隊法など10件の法律改正案を集めた「平和安全法制整備法案」、続いて自衛隊が他国の軍隊を後方支援できるようにした「国際平和支援法案」制定案の採決を案件に上げた。平和安全法制整備法案が最終確定すれば、自衛隊は第2次大戦敗戦以後70年ぶりに集団的自衛権を行使できるようになり、国際平和支援法案が制定されれば日本政府が別途の立法することなく自衛隊を望む時期に海外派兵できることになる。 この日の特別委での質疑応答で安倍首相は、「国民の理解が進んでいないのも事実だ」と認めながらも「国民の生命と幸せな生活を守る責任から視線を転じてはならない」として、安保法制の強行採決の意思を曲げなかった。

 「賛成する諸君は起立願います」という浜田委員長の叫びに、自民党と公明党の連立与党議員がいっせいに席から立った。NHK放送はこの光景を生中継し「安全保障関連法案が自民党と公明党の賛成で衆議院特別委で可決された」と明らかにした。 採決が終わった後、浜田委員長は急いで会議室を抜け出て、岸田文雄外相、中谷元防衛相など主要閣僚はお互いを讃え握手を交わした。

 自民党はこの法案を16日に衆議院本会議に上げ通過させる方針だ。連立与党は衆議院で3分の2を超える絶対多数を占めており、参議院でも過半数の議席を確保しているため安倍首相が決心さえすれば法案通過を防ぐ手段はない。

 同じ時刻、国会議事堂の外では35度を超える焼き付くような陽射しの下で、日本市民の反対集会が続いていた。 「戦争をさせない1000人委員会」等の市民団体は、この日国会議事堂周辺を取り囲み、戦争反対の願いを込めたスローガンを叫んでいた。 司会者が「戦争」と叫べば、市民が「反対」と応じ、「アベ」には「辞めろ」と正面から受けた。

 安倍首相がこの法案を9月27日に終了する今年の定期国会会期中に通過させるという決心を明確にし、日本と東アジア情勢に及ぼす影響に関心が集中している。 日本国内では、数十年間維持された憲法の解釈を一方的に変え、事実上の改憲をしたという“立憲主義危機”論争が深刻化しており、東アジアでは中国などを刺激し軍拡競争を触発し、この地域の戦略的秩序を揺るがしかねないという憂慮が深まるものと見られる。

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/700409.html 韓国語原文入力:2015-07-15 19:39
訳J.S(1441字)

関連記事