本文に移動

在韓米軍、生きている「陽性菌」の実験も計画か

登録:2015-07-01 00:24 修正:2015-07-01 07:55
米国ユタ州ダグウェイ兵器訓練所にある大規模野外実験場のうち1カ所で韓国に配備されたものと同様にジュピターのセンサーを配備したという文が載った米陸軍サイト(www.army.mil) //ハンギョレ新聞社

 在韓米軍が韓国で屋外に生きている「陽性菌」を散布し、検出する実験を行おうとしたとする分析が出された。陽性菌は人体の中で共生する微生物だが、在韓米軍がそこから炭疽菌など猛毒の細菌で屋外実験対象を拡大する計画はなかったのか、明らかにすべきだという声が出ている。

 キム・ヒョンソン保健医療団体連合政策室長は30日、国会で開かれた討論会「在韓米軍炭疽菌持ち込みの問題点と解決策」で、米軍の屋外実験計画を公開して「米軍は、屋外で行われた陽性菌の散布実験で、非活性炭疽菌も使用しようとしたのではないか、必ず確認しなければならない」と要求した。

 キム室長が公開した4月16日付の米陸軍「公報」は「最近(米ユタ州)ダグウェイ兵器訓練場の大規模な屋外実験場の一つで、韓国に配備されたものと同じようにジュピターのセンサーを設置した」とし、 「生物学的薬剤(biological agent)と同じ特性を持つ陽性菌(benign microbes)が、生物兵器攻撃に似たようないくつかのシナリオに基づいて散布された。韓国での作戦実験で再現するために、各シナリオでは電子的に記録された」と伝えた。

http://www.dugway.army.mil/NewsArticle.aspx?articleId=/PAO/Articles/2015/04/JUPITR%20FINAL.htm

 陽性菌とは大腸菌など、人体の中に生きており、病気を起こさず共生する微生物をいう。キム室長は、「米軍が米国のように、韓国でも人体に無害な陽性菌を空気中に分散させて『ジュピタープログラム(JUPITR)』(連合在韓米軍のポータルと統合脅威認識)の一つである環境評価感知器(AED)で検出できるかどうかの実験を試みた」と指摘した。それ以降、炭疽菌など、実際毒性を持つ細菌も非活性状態で屋外実験を行おうとした可能性も排除できないだけに、これを明確に確認する必要があると主張している。

 新政治民主連合のクォン・ウンヒ議員とチェ・ジェチョン議員、そしてソ・ギホ正義党議員による炭疽菌不法搬入糾弾市民社会対策会議の共同主催で開かれたこの日の討論会で、イ・ミヒョン参与連帯平和軍縮センター長は「米軍の炭疽菌実験が、本当に今回が初めてなのか、烏山(オサン)だけではなく、他の基地でも実験を行ったのではないか、炭疽菌だけでなく、他の生物学的薬剤を搬入したのではないかなどの疑惑がまだ残っている」とし「韓国政府は、米韓合同調査団の調査結果を透明に公開しなければならず、いくつかの疑惑いついても入念に検証しなければならない」と述べた。

 チョン・ウクシク平和ネットワーク代表は「米軍の炭疽菌の持ち込みは国際条約の生物兵器禁止条約に違反したものとみられる」とし「韓米両国が協定を遵守することだけが、北朝鮮により強力な国際的な制約を加えられる唯一の方法だ」と指摘した。

キム・ジフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-06-30 20:28

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/698286.html  訳H.J

関連記事