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[ニュース分析] 韓米原子力協定改定で使用済核燃料の一部処理を許容

登録:2015-04-22 23:06 修正:2015-04-23 07:39
22日午後、ソウル都染洞の韓国外交部庁舎で開かれた韓米原子力協定仮署名式でパク・ノビョク外交部改定交渉専門担当大使(右)とマーク・リッパート駐韓米国大使が協定に署名し握手している イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 今回全面改正された韓米原子力協定は、韓国と米国の利害関係が折衷された結果と解説される。使用済核燃料とウラニウム濃縮などに対する幅広い自律性を要求してきた韓国と、核兵器製造など核拡散を憂慮する米国が互いに一歩ずつ譲歩した結果だ。 しかし、再処理とウラニウム濃縮など敏感な問題に対しては、直ぐには許容しないが今後の韓米間協議体を通じて解決するとし事実上先送りした。

 2010年10月に始まった韓米間交渉での最大争点は、使用済核燃料の再処理とウラニウム濃縮の許容の可否にあった。 1972年に結ばれた既存の原子力協定は、米国が提供する使用済核燃料の再処理や形状・内容変更に対して米国の事前同意なしではできないよう規定している。 この規定は、使用済核燃料を再処理する場合に核兵器の原料になるプルトニウムを抽出できるという米国の憂慮が反映された結果だ。 また、ウラニウム濃縮と関連しては規定すらない。

韓米の利害関係を折衷した結果
「乾式再処理」前半部は長期同意
「湿式再処理」は完全不許容
米のプルトニウム抽出憂慮を反映
ウラニウム濃縮など敏感な問題は
「今後の協議体」に先送り
韓国外交部「一方的統制から相互権限行使保障へ…進展」

 これについて韓国は、この間の交渉でさらに包括的な自律性を要求してきた。 韓国政府当局者は「すべての使用済核燃料活動に対しては、案件別に、または5年単位で米国の事前同意を受けなければならないが、これは原子力発電のための研究活動や原子力安全管理にも制約が多かった」と話す。今回の改正協定で、米国が使用済核燃料の放射性物質特性を確認するための“照射後試験”と「パイロプロセシング」(乾式再処理方式)の前半部工程である“電解還元”等を長期同意したことは、韓国側のこのような要求を一部受け入れた結果と解釈される。 外交部当局者は「今回の協定に濃縮と再処理など諸般の原子力活動で韓米が互いに相手方の原子力プログラムを尊重し、不当な妨害や干渉をしてはならないという義務規定が含まれた」として「一方的統制ではない韓米間相互権限行使を保障したことは大きな進展」と話した。

 しかし、使用済核燃料の再処理など包括的な核燃料サイクル活動に対する制約は、依然広範囲に残っている。 最も広範囲に活用される湿式再処理である「ピューレックス」(PUREX)は不可能だ。 これを通じて抽出されるプルトニウムが核兵器の製造に転用されうるという米国の憂慮が反映されたものだ。 また、今回の協定に米国の長期同意を受けた電解還元は、パイロプロセシングの初工程に過ぎない。 パイロプロセシングは原子炉で使い終わって残った核燃料を解体・切断し粉末化した後に、電気分解を通じてウラニウムとプルトニウムなどを回収する工程で、このうち電気分解は順に電解還元-電解精錬-電解製錬などの工程を経る。

 ただし、将来のパイロプロセシング方式の再処理許容の可能性は残しておいた。 10年の期限で2011年7月から韓米共同のパイロプロセシング研究がなされている事情を考慮したわけだ。 この共同研究の結果、パイロプロセシングが核兵器に転用される物質を生産しない方式で使用済核燃料を再処理できることが確認されれば、これを今後構成される次官級の常設協議体である“韓米高位級委員会”で協議して許容しうるということだ。 外交部はこれに関して「パイロプロセシング共同研究の結果、技術的妥当性、経済性、核非拡散性の細部基準と具体手続きによりパイロプロセシング活動について韓米間で長期同意を付与できる根拠を用意した」と明らかにした。

 原子力発電の燃料であるウラニウムの濃縮も依然不可能だ。この間、韓国は20%未満の低濃縮を許容することを要求してきた。 しかし今回の協定はパイロプロセシングと同じように今後の高位級委員会で一定の手続きと基準により扱っていくことに先送りする線で合意がなされた。 外交部当局者は「現在、世界の濃縮ウラニウム市場が安定的である現実が反映された結果」とした上で、「市場の需給不均衡状況が発生することに備えて、米国の原子力発電所燃料供給支援規定と非常供給支援協議規定などを用意した」と説明する。

 また、使用済核燃料を韓米が合意する第3国に送り、商業的に海外委託再処理ができる道を開けておいたことは、核廃棄物処理に頭を痛めている韓国の立場が反映されたと見られる。しかし、海外で再処理された核物質の韓国内への搬入は、依然として米国の事前同意対象であるという。

 一方、この日の韓米原子力協定改正と関連して環境運動連合は声明を出し、「今回の仮署名でパイロプロセシングに対する自律権を確保したように発表されているが、放射能汚染が拡大し核拡散で平和を脅かす再処理技術に対して接近の道が開かれたことは自慢できることではない」と批判した。

パク・ビョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/688098.html 韓国語原文入力:2015-04-22 21:41
訳J.S(2293字)

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