韓国内の一角で起きている核武装論に米国政府と世論主導層が敏感に反応している。 韓国の核武装が東北アジアの不安定を深化させるだろうと憂慮する一方、現在進行中である韓-米原子力協定改正問題と関連させようとする意図もあるように見える。
<ニューヨークタイムズ>は去る11日付1面記事で、韓国で起きている核武装論を扱ったのに続き、18日には韓国の核開発に反対するという社説までだした。 この新聞は‘韓半島に核兵器はダメだ’という題名の社説で「韓国の一部の影響力ある人々が独自の核兵器開発を促し、世論調査でも3分の2ほどがこれに賛成している」と紹介し、「これは言うまでもなく韓国をより安全にさせない良くないアイデア」と主張した。 この新聞は「韓国の核開発はイランと北韓の核保有国野望を制御しようとする国際社会の努力をより難しくさせるだろう」と憂慮した。 新聞は最近の北韓の態度は戦争よりは金正恩体制強化のためのものという専門家たちの分析が優勢だが、誤った判断の危険も高まっているとし、「韓国の核開発威嚇は韓半島情勢をさらに悪化させるだろう」と主張した。 CNNも18日、北韓の核威嚇が韓国内で独自の核開発の必要性に関する議論を触発させていると紹介した。
韓国の核武装論に対する米国の反応は、何よりもそれが韓半島情勢を悪化させるだけでなく、東北アジアの核兵器開発競争を触発させるだろうという憂慮に土台を置いている。 ブルース クリンノ ヘリテージ財団専任研究員はUSAトゥデイとのインタビューで「核武装した韓国は日本が核兵器国家になることを招来するし、それは東北アジア地域に不必要な不安定を引き起こすだろう」と話した。 トム トニロン ホワイトハウス国家安保補佐官など高位当局者が、韓国に対する米国の核抑止力を公開的に再確認し、アストン カーター国防部副長官が訪韓して戦略爆撃機B-52の演習計画まで公開するのも、このような憂慮を払拭させようとする努力と解釈される。
しかし韓-米原子力協定改正交渉で有利な位置を占めようとする世論戦の性格もあると見える。 韓国の原子力協定改正要求を原子力の平和的利用目的ではなく結局は核武装をしようとしているのではないかという見解と結びつけようとしているわけだ。 <ニューヨークタイムズ>は社説で「韓国政府が米国側に使用済み核燃料の再処理を許容することを圧迫している」とし、原子力協定改正を核武装論と同じ脈絡で解釈した。
マーク ヒプス カーネギー国際平和財団専任研究員も15日、外交専門紙<フォーリン ポリシー>に‘韓国は核国家の道に進むのか’という題名の寄稿文で、韓国の核武装論と原子力協定を結びつけ、 「韓国は米国が1988年に日本にプルトニウム抽出を許容した前例を挙げて論じているが、領土紛争がなく北韓が核拡散禁止条約(NPT)体制にいたその当時と今では状況が大きく違う」と主張した。
原子力協定は来年3月が満期だが、米国議会報告など通過手続きを考慮すれば今年上半期までに両国政府間交渉が終えられなければならない。 朴槿恵(パク・クネ)大統領がこの問題に関心が高く、すでに5月初めの韓-米首脳会談の主要議題にも浮上している。
ワシントン/パク・ヒョン特派員 hyun21@hani.co.kr