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[社説] アジアインフラ投資銀行参加で韓国が迎える新たな試練

登録:2015-03-28 09:10 修正:2015-03-28 09:18

 韓国政府が中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に創立メンバー国として参加することを決めた。政府は27日、参加意思を中国に公式に通知したと発表した。

 政府の参加決定は一歩遅れた感もあるが、肯定的な評価を受けるに値する。2013年10月に習近平(シー・ジンピン)中国国家主席が銀行創設計画を初めて明らかにして以来、政府はこれまで参加の可否をずっと天秤にかけてきた。政府の悩みが理解できないわけではない。この機構が米国と日本が主導する既存の国際金融覇権に対抗する中国主導の新たな秩序構築の性格を強く帯びているためだ。特に在韓米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)導入計画と絡み、米国と中国の力比べの様相を呈している点も、韓国政府が俄かに参加を決められなかった要因であろう。

 だが政府の中でさえ参加決定は時間の問題とする雰囲気が強かった。参加で享受できる経済的実益が大きいとの判断からだ。中国政府はアジアインフラ投資銀行を通じ、遅れたアジア地域の開発に乗り出すという意志を繰り返し強く表明してきた。アジアとヨーロッパ、アフリカを陸上と海上でつなぐ新シルクロード「一帯一路」の夢が代表的だ。

 政府資料によると、この地域のインフラ投資需要だけで2020年まで毎年7300億ドルに達すると予測される。建設、電力、通信など大型インフラ市場が新たに開かれることになる。韓国企業にとっても見逃せない機会であるのは明らかだ。米国の反対を振り払って英国が電撃的に参加決定を下した後、ドイツやフランスなどヨーロッパ諸国まで相次いで隊列に合流したことからしてもよく分かる。

 悩んだ末の参加決定ではあるが、重要なのはこれからだ。6月じゅうの創立協定文署名まで残された2カ月余りの間、参加意思を明らかにした36カ国は持分率や運営方式など支配構造をめぐり激しい水面下の調整が続けるのは明らかだ。領域内と域外国家間の持分配分だけでなく、いかなる基準で持分率を決めるかもカギとなる。多者間開発銀行に見合った透明な国際基準などを備えることも課題だ。その過程においてメンバー国間の協力と牽制は避けられない。中国中心の新たな国際金融秩序の中で前例のない高次方程式を解かなければならない試練に直面するわけだ。中途半端な姿勢で遅れて参加決定を下して生じた不利を挽回するためにも、韓国政府の奮起がより一層要請される。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.03.27 18:38

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/684345.html 訳Y.B

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