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米中から閣僚級大物の訪韓...試練に立つ韓国「サード外交」

登録:2015-03-19 02:12 修正:2015-03-19 12:13
米国と中国の閣僚級当局者の訪韓日程。 //ハンギョレ新聞社

 今度は閣僚級の大物たちが来る。 21日の王毅(ワン・イー)中国外交部長(長官)の訪韓を皮切りに、米国側ではアシュトン・カーター国防長官、ジョン・ケリー国務長官などが来月訪韓する。

 ソウルを舞台に、米国と中国との間で繰り広げられた次官補外交戦の余震がまだ収まらない状況だ。サード(THAAD・高高度防衛ミサイル)の韓国配備問題をめぐり対立する2大国の間で韓国の外交が再び厳しい試験台に立たされることになった。彼らの訪韓は、最近起きた「朝鮮半島サード配備論議」とは関係なく予定された日程ではあるが、米国と中国でサードと関連した主要な責任を担っているという点で、再びサードをめぐる議論が再燃する可能性も排除できない状況だ。

 今回も中国が先攻だ。 21日にソウルで開催される韓中日3カ国外相会談に出席する王毅外交部長が、午前中に個別に行われている韓中会談でサードと関連し、どのような言及をするかに関心が集まっている。すでに劉建超(リュ・ジェンチャオ)中国外交部部長助理(次官補)が16日韓中次官補協議で「中国の懸念を重視することを望む」と「サードの韓国配備」に直接的に反対の立場を公式表明している。キム・ジェチョル カトリック大学教授は、「中国は習近平(シー・ジンピン)主席が昨年7月に行った韓中首脳会談で『ミサイル防衛システムの問題を慎重に処理してほしい』と要求して以来、これをサード問題に対処する(中国の)基準にしている」とし「以降のすべての段階の外交経路を通じて一貫して同じ話をしている」と述べた。

 ただし、王部長の意思表示方法や発言の水位が劉部長助理のように直接的、高強度のものになるかは未知数だ。日本の侵略の経験を共有する韓国と中国が日本との対立構図を維持してきた韓中日3カ国会議の性格上、この場で韓国を相手に公然と異論を唱えることはしない可能性もある。劉建超部長助理の直接的な反対の立場表明後、韓国国防部が「主権に干渉しないでほしい」と強く反論するなど、韓国側の反発が激しかったことも負担になる可能性もある。もし王毅部長が韓国の反発の可能性にもかかわらず、強度の高い発言を行う場合、韓国外交としては劉部助理の時とは別の次元の負担を抱えることになる。中国がサード問題を他の韓中関係よりも重要な国益がかかった事案と考えていることを、外交の責任者が直接明らかにすることになるからだ。

 米国側の閣僚級の要人たちの訪韓も目白押しだ。今月末にマーティン・デンプシー統合参謀本部議長の訪韓をはじめ、アシュトン・カーター国防長官とジョン・ケリー国務長官も、それぞれ4月、ソウルを訪れるという観測が出ている。彼らの訪問の目的は、「サード」ではないが、これらはすべてサード問題を直接的または間接的に扱う高位当局者であり、サード配備が韓中日3カ国との間の超大型安保問題として急浮上した状態で、サード議論への言及を避けるのも容易ではない。

 最も目を引くのはやはり主務長官のカーター国防長官だ。政府関係者は「カーター長官が4月初め頃、就任あいさつがてら訪韓する方向で準備している」と述べた。カーター長官は第1次北朝鮮核危機の1993〜94年、北朝鮮の核施設と「テポドン2号」ミサイル基地先制攻撃論を主張していた対北朝鮮「タカ派」として知られている。今年2月初めに開かれ承認聴聞会では、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)に対抗して米本土防衛のために必要なミサイル防衛システムを大幅に強化すると明らかにした。カーター長官をはじめとする米の閣僚級人士が再び中国の「サード配置反対」を公開反論する状況になった場合、韓国の外交的選択肢はさらに狭められる可能性が高い。

ソン・ウォンジェ記者、パク・ビョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015.03.18 19:39

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/682858.html  訳H.J

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