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[週刊ハンギョレ21] 雨後のたけのこ式に増殖する総合編成チャンネルのパネラー(3/3)

登録:2015-03-10 20:58 修正:2015-03-15 09:23
政治家として再起不能状態に置かれていたカン・ヨンソク前ハンナラ党議員は、総合編成チャンネルとケーブル放送を通じて新しい出口を見出した。 今後誰が彼の後に続くだろうか。 tvN <カン・ヨンソクの愉快な19>。 tvN画面 キャプチャー

“政治空白”を埋める政治家たちも合流

 総合編成渉外の選好度が高いある弁護士は「弁護士が政治的イシューにまで言及することを批判するならば、その批判は私が甘受しなければならないと思う。 政治問題は善悪の正解がないのだから、私なりの“ロジック”で話している。 毎朝、新聞のコラムや社説を漏らさず見るようにしている」と話す。 ただ、彼は「北朝鮮問題は本当によく分からないので、(パネラーとして出ても)北朝鮮問題には発言しないようにしている」と話した。

 総合編成4社とニュース専門チャンネル2社を跳び回るパネラーの重複出演も日常茶飯事だ。 今回の調査で、総合編成4社のうち3社の時事番組に出演した人は13人だった。 総合編成チャンネルのニュースとニュース専門チャンネルの時事・報道番組出演は、今回の調査に含めていない。 総合編成従事者たちの間では「1日に総合編成とニュース専門チャンネルの8つの番組に出てくる人もいる」といった話が出回っている。 発言の深さも重要だが、平易で鮮明な発言をするパネラーの選好度が高いというのが総合編成関係者の話だ。 ある総合編成の時事番組司会者は「出演者の場合、大抵は作家が発掘・渉外に乗り出したり、出演希望者が総合編成関係者に出演を頼んだりすることもある。どの総合編成も他の総合編成番組をモニタリングしているが、一度どこかの番組でうまく話す出演者がいれば、その瞬間から、その出演者がすべての総合編成のパネラーとして共有されることになる」と説明する。 こうして、総合編成での重複出演が拡大されるわけだ。

 パネラーが重複出演を自制できないのは、オファーを断れば比較的安定した収入と認知度を保障する道が絶たれることを懸念するためだ。 総合編成の時事番組出演経験を持つある評論家は「(重複出演が)疲れる仕事とは知りながらも、長期的な固定番組のない専門家パネラーの場合、(総合編成を渡り歩く)行商人の身の上を甘受せざるを得ない。 それでも後に大衆への認知度が残るからだ」と話した。

 非専門分野まで論評するパネラーたちの傾向は、総合編成の“漫談ジャーナリズム”や“荒く興奮したジャーナリズム”を煽りかねないという意見が少なくない。 総合編成の堅苦しくない時事・報道番組がニュースの大衆化に一部寄与したという評価もあるが、時事番組の芸能化が濃くなるとともに、パネラーの推論と嘲笑的なコメント、事実確認を疎かにした製作陣の責任放棄が危険水位に達しているという憂慮も大きい。 ムン・ビョンジュ政治学博士は「総合編成のパネラーたちが、政界の懸案と政策を正確に把握しないまま相手を非難したり推測性の発言をして、政治嫌悪や政治冷笑を引き起こしていることが深刻だ」と指摘する。

 パネラーの性向の偏りも絶えず提起されてきた問題だ。 パネラーの性向の形式的な均衡も保たれていないということだ。 今回の調査でも所属団体と発言内容を総合して分析した結果、190人のパネラーのうち、保守的な人が60人、進歩派的な人が8人、中道的な人が1人(121人は判断不可)だった。 セヌリ党出身のチン・ソンホ、シン・ジホ、イ・ドゥア元議員などの政治家たちも総合編成の主要出演者だが、次期総選挙へ通じる飛び石として“政治空白”を埋めている。

商業性と娯楽性、政治的偏向性の結合

 イ・ギヒョン慶煕大教授(言論情報学)は「総合編成ジャーナリズムの位相と含意」(2014年)という論文で「相対的に製作が容易で費用があまりかからない変形された(総合編成の)“ニュースショー”で、商業性と娯楽性、政治的偏向性が結合している」と指摘した。 過度な重複出演、パネラーに対する専門領域を無視した評論注文は結局、放送局と出演者に有毒なブーメランとして戻る恐れもある。 総合編成にパネリストとして出演して固定番組まで務めたトゥムン政治戦略研究所のイ・チョルヒ所長は、「評論は自分が多く知っている分野について話すことなのに、社会・政治・外交懸案まで広く話せば評論の水準が落ちることになる。 (重複出演などで評論家・パネラーが)食傷してくれば、結局本人にもマイナスだが、放送も信頼を得られなくなる」と懸念した。

ソン・ホジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/media/680739.html 韓国語原文入力:2015/03/05 00:17
訳A.K(1912字)

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