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セウォル号裁判、現場指揮官の警備艇長に業務上過失致死罪を適用

登録:2015-02-11 21:27 修正:2015-02-12 07:30
セウォル号沈没事故で救助業務を怠慢にした容疑などで不拘束起訴されたキム・ギョンイル前木浦海洋警察123警備艇長(57)に対する裁判が開かれた11日午後、光州広域市東区の光州地裁前で「4・16家族協議会」会員たちが記者会見を行い「裁判所がキム前艇長に懲役4年の軽い刑を宣告したことは理解できない」と明らかにしている。 光州/ニューシス

 11日、光州(クァンジュ)地裁がセウォル号沈没事故当時に現場指揮官だったキム・ギョンイル前木浦(モクポ)海洋警察123警備艇長(57・警衛)に業務上過失致死罪を適用し懲役4年の刑を宣告したことは、救助業務公務員の“救助失敗”に対して初めて刑事責任を課したという点で意味がある。

 今回の事件を審理した光州地方裁判所刑事11部(裁判長イム・ジョンヨプ)は、キム前艇長が退船誘導など現場指揮官としてしなければならない措置(注意義務)を履行せず、一部の乗客を死に至らしめた過失があると見た。今まで韓国で発生した大型災難事故と関連して、業務上過失致死罪で処罰を受けた公務員はほとんど許認可や監督業務を遂行した人々だった。 1993年10月に発生した西海(ソヘ)フェリー号沈没事故の時も、海運港湾庁などの公務員だけが業務上過失致死罪で起訴され有罪を宣告された。 処罰も実刑ではなく執行猶予に留まるケースが多かった。

 今回の判決により、遺族たちが政府の責任を問う損害賠償請求訴訟を起こす根拠が用意されたという点にも意味がある。 救助責任を負った海洋警察の指揮官が適切な対処をできない過失により乗客が亡くなったという因果関係を裁判所が認めたことになるためだ。 これに伴い、遺族たちが損害賠償請求訴訟を起こす場合、国家がセウォル号のオーナーである清海鎮(チョンヘジン)海運と賠償責任を分担する可能性が高まった。 セウォル号遺族たちはこれまで政府が「不良対応で十分に助けられる筈の乗客を救えなかった」として、救助失敗の責任を負わなければならないと主張してきた。

公務員の“救助失敗”で初の刑事責任を問い
国家に損賠請求の根拠ができた
家族対策委は遺憾表明
476人全員救助可能という
シミュレーション結果が出てきたのに
56人についてのみ過失致死を認定

 捜査過程で法務部が業務上過失致死罪の適用に否定的な態度を見せたこともこのような事情と無関係ではない。 当時、光州地検捜査チームと最高検察庁はキム前艇長に業務上過失致死容疑を適用しなければならないという意見を出したが、法務部はこの容疑適用に反対したという。 救助に失敗した政府の責任を認めることになるのに加え、セウォル号遺族が損害賠償訴訟を起こせば国家に不利に作用する点を勘案した判断という分析が出ている。

 ただし、裁判所はキム前艇長の業務上過失と被害者たちの死亡の間の因果関係を部分的にのみ認めた。 裁判所は「キム前艇長が事故当日午前9時44分頃、船内の状況を把握して救助作業ができたにもかかわらず、退船放送の実施と退船誘導措置を指揮しなかったことは業務上過失に該当する」と判断した。 セウォル号が当時午前9時37分頃(珍島VTSとの)交信を切ったためにキム前艇長がセウォル号との交信を試みなかったことに対しては死亡に至らしめた原因として認定しなかった。 また、裁判所は123艇が退船命令と退船誘導措置を行った場合、「セウォル号4階船尾の3個の船室にいた乗客56人は脱出できた」と見た。 光州地方裁判所関係者は「残りの乗客は当時退船放送が聞こえなかったり、たとえ退船放送が聞こえたとしても脱出が容易でない状況だったと見た」と説明した。

 これに対してセウォル号家族対策委員会のパク・ジュミン弁護士は「当時退船指示さえ出ていれば、9分28秒あれば476人全員の救助が可能だったというシミュレーション結果も出ているのに、56人に対してのみ業務上過失致死の因果関係を認め、恣意的に結論を出した気がする」として「当初検察がキム前艇長だけでなく海洋警察指揮ラインにいた幹部を一緒に起訴しなかったことにも問題がある」と指摘した。

光州/チョン・デハ、ノ・ヒョンウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/678008.html 韓国語原文入力:2015/02/11 19:59
訳J.S(1904字)

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