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[ニュース分析] 新自由主義を拒否したギリシャの選択

登録:2015-01-27 01:04 修正:2015-01-27 08:27
ギリシャ総選挙で圧勝を収めた急進左派政党(SYRIZA)のアレクシス・ツィプラス代表が25日夜、アテネで支持者に手を差し出し応えている。 次期ギリシャ総理になるツィプラス代表はSYRIZAの勝利はギリシャが強要されてきた緊縮財政と侮辱の終わりを意味するとし「今日ギリシャ民衆は歴史を作った。希望が歴史を作った」と話した。アテネ/ロイター連合ニュース

緊縮緩和・国家負債の縮小など巡り
ドイツ主導債権団と対立不可避
保守と中道の主流両党を押しのけ
急進左派、ヨーロッパ政治秩序に新局面
スペイン総選挙にも影響する見込み

 ギリシャの急進左派連合(SYRIZA:シリザ)がが25日の総選挙で圧勝し、ヨーロッパの既存政治秩序と新自由主義経済に亀裂を起こす信号弾を打ち上げた。

 この日の総選挙でSYRIZAは36.3%を得票し、300議席の過半数に2議席足りない149議席を確保した。SYRIZAは既存の71議席から議席数を二倍以上に伸ばし、執権党に跳躍した。 既存の執権与党である中道右派の新民主党は27.8%の得票で76席に終わった。次いで、極右の黄金の夜明け党と中道性向のポタミがそれぞれ17議席を得た。 左派陣営の代表政党だった汎ギリシャ社会党は13議席を占めた。 ギリシャの最年少総理になるアレクシス・ツィプラス SYRIZA代表(40)は26日、議会で総理宣誓を行い28日までには連立政府を構成する予定だ。ツィプラス代表は26日午前、救済金融条件に反対してきたギリシャ独立党のパノスカメノス党首と会い連合政府の構成に合意したとBBC放送が明らかにした。

 ツィプラス代表は勝利が確定した後「ギリシャは災難水準の緊縮政策から脱却する。恐怖や権威主義も、5年間の恥辱と苦痛からも決別するだろう」と宣言して、ヨーロッパ連合(EU)等の国際債権団が救済金融の核心条件として要求してきた緊縮政策を受け入れないことを明確にした。 SYRIZAは3200億ユーロに達するギリシャの国家負債を半分に縮小することを債権団に要求する再協議を総選挙公約として掲げた。 ドイツが主導するヨーロッパ連合などの債権団との崖っぷちの対立が予告され、ユーロゾーンの未来にも重要な変化をもた変数をもたらす見込みだ。

 SYRIZAが執権することになったのは、経済的には新自由主義に立脚した経済的処方を拒否し、政治的には既存政治勢力と秩序を拒否する勢力がヨーロッパ政治の一軸として登場したことを意味する。SYRIZAは新自由主義秩序に反対する人々の政治勢力化を象徴する。 国境を行き交う国際金融資本の利益を優先して福祉など政府の役割を縮小し規制の緩和を要求する新自由主義は、2008年の金融危機を招いても依然猛威を振るっている。SYRIZAはこのような状況を批判して、最低賃金の引き上げ、団体交渉権の復活、大量整理解雇の禁止、料金未納で電気が切られた家庭に対する電気の復旧などを直ちに実践すると明らかにした。 ギリシャ人口の25%に及ぶ貧困層の生存対策は妥協の対象ではないという点を明確にした。

 SYRIZAは国際債権団の“IMF式緊縮処方”に反対するだけの代案なき勢力ではない。救済金融危機以後、ギリシャでは約400の市民団体が力を合わせた「皆のための連帯」等が市民社会次元の診療所、給食所、法律相談などの活動を行い、新しい経済モデルの端緒を作っているが、SYRIZAに所属する議員全員は月給の20%をこの連帯組織に拠出していた。 SYRIZAはこの連帯運動が自分たちが構想する社会変化の基盤であり、執権後には一層積極的な役割を果すと強調する。 『21世紀の資本』の著者であるパリ経済大学のトマ・ピケティ 教授は、ギリシャでのSYRIZAなど反緊縮政党の浮上は「ヨーロッパにとって良いニュース」とし、「彼らは民主的ヨーロッパの建設を望んでいるので、支持を送らなければならない」と声援した。

 SYRIZAの執権を契機に中道右派指向の保守政党と中道左派である社会民主主義政党を二大軸とするヨーロッパの戦後政治秩序も転換点に立つことになった。 2008年の金融危機以後、フランス、オランダ、オーストリア、デンマーク、英国、イタリアなどヨーロッパの多くの国々では経済危機と移民問題などに不満を抱いた大衆を狙って極右ポピュリスト政党らが既存の主流政党を脅かして急激に勢力を拡大した。

 このような状況で左派指向のSYRIZAが先に執権に成功した状況は、ヨーロッパの極右ポピュリズムの拡散を阻む新たな代案の可能性を提示した。 先ずは今年のスペイン総選挙にも影響を与えるものと予想される。 ギリシャと同じく負債問題に苦しんでいるスペインでもSYRIZAに類似した路線の左派政党ポデモスが躍進している。 ポデモスのパブロ・イグレシアス代表はSYRIZA勝利の後「希望が近づき、恐怖が退いている。SYRIZA、ポデモス、我々は勝利するだろう」と歓呼した。

 SYRIZAが触発した新たな実験は始まった。ギリシャの負債縮小交渉に頑強に反対しているドイツ主導の国際債権団との交渉が最初で最大の関門になるだろう。

チョン・ウイギル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/675368.html 韓国語原文入力:2015/01/26 23:43
訳J.S(2294字)

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