この悲劇は二度と繰り返されてはならない
日本は世界平和に貢献すると演説
8月の「安倍談話」で反省色薄まる憂慮
反省や省察のない追慕や平和の決議はどれほど虚しいものか。安倍晋三首相は19日、ナチスドイツの犠牲になった600万人のユダヤ人を追悼するためのイスラエルのホロコースト記念館(ヤド・ヴァシェム)を訪問し、献花をして追悼辞を残した。しかし日本がアジア諸国を侵略して植民支配をし、多大な被害をもたらした歴史的事実に対する言及は一言もなかった。
中東歴訪中の安倍首相は19日午前、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と首脳会談を終えた後、午後にホロコースト(ナチスドイツによるユダヤ人集団虐殺)で亡くなったユダヤ人犠牲者を追悼するためのイスラエルの国立追悼施設であるホロコースト記念館を訪問した。
安倍首相は一時間ほど記念館を見学した後の演説で「ユダヤ人が負った苦難を全人類の遺産として残そうとする皆さんの努力に心から敬意を抱いている。特定民族を差別して憎しみの対象とすることが人間をどれくらい残酷にさせるか習うことができた。 ホロコーストを二度と繰り返してはいけない」と話した。さらに彼は「差別と戦争がない世界、人権が保護される世界を実現するため今後も努力していくべきだ。日本も人類が人権を守って平和に暮らせるように世界の平和と安定に積極的に貢献して行くつもりだ。戦争が終わって70年になる今年、このような悲劇を二度と繰り返さないという決議を表明する」と明らかにした。
見学後に残した芳名録には「犠牲者の方々に深い追慕の意を伝える。アウシュビッツ解放70年を迎える今年、このような悲劇が再び繰り返してはいけないという決議を明らかにする。日本内閣総理大臣安倍晋三」と記したとNHK放送が伝えた。しかし日本軍慰安婦問題をはじめとして日本が朝鮮半島の植民支配過程で加えた苦痛や日本軍が中国で犯した南京大虐殺に対する言及や反省は全くなかった。
その空白を満たしたのは自画自賛だった。彼は「私たちの先達の中に杉原がいる。彼はビザを発行して日本に行った少なからぬユダヤ人難民の命を救った」と話した。第2次世界大戦時にリトアニアの日本領事館に勤めユダヤ人に日本経由の出国ビザを発行して多くのユダヤ人の生命を助けた外交官杉原千畝(1900~1986)に言及したのだ。この日の安倍首相の演説には日本が敗戦70周年を迎え今年8月に発表すると見られる「安倍談話」の原型になるとの観測が多く、日本の内外の関心を集めた。
安倍首相がこの日訪問した記念館は1億2500万ページに達するホロコーストに関する資料と生存者10万人以上の証言を記録した文書と映像などを保管している。また、ドイツでナチ政権が登場した後に反ユダヤ主義が広がったヨーロッパ各国でユダヤ人迫害を証言した写真、映像、犠牲者の遺品などを展示している。ユダヤ系団体は2013年12月に安倍首相が靖国神社を参拝した当時、戦争犯罪者(A級戦犯)を祀る「靖国神社を参拝したのは道徳的に誤ったこと」という声明を発表したことがある。
韓国語原文入力:2015.01.19 23:23