朴槿恵(パク・クネ)政権の“秘線”の実力者と疑われたチョン・ユンフェ氏(59)が、朴大統領の核心側近らと定期的に会って大統領府の内部動向を把握し、「キム・ギチュン大統領秘書室長交替説」を広めるなどして国政に介入したと『世界日報』が28日報道した。 民間人であるチョン氏が国政に介入した具体的な情況が明らかになったのは今回が初めてだ。
『世界日報』はこうした内容が大統領府民政首席室の公職規律秘書官室監察の結果明らかになったとし、チョン氏の動向が書かれた監察報告書を入手し公開した。公職規律秘書官室が作成した監察報告書と『世界日報』の報道によると、チョン氏とイ・ジェマン大統領府総務秘書官、チョン・ホソン第1部属秘書官、アン・ポングン第2部属秘書官をはじめとする10人は、昨年10月から毎月二回ずつ定期的に集まった。 当時、江原道洪川(ホンチョン)付近で隠居中だと知らされたチョン氏は、集いの日に合わせてソウル清潭(チョンダム)洞などの食堂で彼らに会っていた。 集いは現在大統領府で勤務中のアン秘書官らが大統領府の内部事情と朴大統領の国政運営などを報告する形で進行された。
監察報告書には、チョン氏が報告を受けた後に具体的な指示を与えたという内容も含まれている。 チョン氏は昨年の忘年会でキム・ギチュン秘書室長の辞退時点を「2014年初中旬と捉えている」として、いわゆる“チラシ”と呼ばれる情報誌を通じてうわさを広げ、マスコミで”旋風起こし”ができるよう情報流布を指示した。 報告書は「キム・ギチュン室長は、チェ・ビョンヨル(元ハンナラ党代表)がVIP(朴槿恵大統領)に推薦して秘書室長になったが、検察の掌握さえ終われば辞める予定」という話をチョン氏がしたと書いている。
報告書はチョン氏を含む参席者を、中国の後漢末に朝廷を掌握した10人の宦官(内侍)に喩え、「十常侍」と名付けた。 『世界日報』は、警察出身で大統領府に勤務中だったK警正がチ・ウンチョン当時公職規律秘書官の指示で今年1月この報告書を作成したと報道した。 『ハンギョレ』はこの日、K警正と通話を試みたがつながらなかった。
報道があった後、大統領府は「報道に出てきた内容は市中に根拠なく流れている風説を集めた、いわゆるチラシに過ぎず、事実ではない」と公式に否認した。 ミン・ギョンウク大統領府報道官はブリーフィングを通じて「該当内容がキム・ギチュン秘書室長まで報告されたことは事実だが、確認の結果、事実ではないと判断され、特別な措置を取らなかった。K警正がいわゆるチラシを通じて作成した報告書と判断した」と説明した。 大統領府は「これを報道した報道機関を含め、文書を作成した担当者などを告訴する」と明らかにした。