本文に移動

[インタビュー] ドイツは脱核のために送電塔、密陽(ミリャン)にはそのような合理的な理由があるか

登録:2013-12-04 22:06 修正:2013-12-05 05:36
‘ウムベルトヒルペ’ピーター アメルス

 1975年に結成された環境団体‘ウムベルトヒルペ’(Umwelthilfe)は1998年以降はドイツの送電線葛藤現場で政府と住民、民間企業の間の仲裁者の役割を果たしてきた。 元来は環境運動を主にしてきたが、原子力発電所に代えて再生エネルギーを拡大するには高圧送電網の拡充が避けられないと判断して活動方向を変えた。 会員たちが納める会費を中心に作られたウムベルトヒルペは、今や政府プロジェクトを遂行する専門家団体の性格が強まった。

 先月20日(現地時間)ベルリンのウムベルトヒルペ事務室で会ったこの団体の再生エネルギー担当者ピーター アメルスは、事業進行の手続きを操り上げるためにも‘第3の対話機構’が必要だという事実を政府や民間電力会社も痛感していると説明した。

 彼は 「環境部が事業を推進する過程で、先ず住民たちの意思を確認し接触してほしいと私たちにプロジェクトを依頼する」として 「ドイツ政府は再生エネルギー中心のエネルギー転換をはやく成し遂げるためには送電網の拡充が必要だが、住民たちの反対に個別に対応することが不可能なので、結局第三者を通した対話のモデルを政府も受け入れざるを得なかった」と話した。

 真の対話がなされるためには、住民たちとまず信頼関係を積まなければならない。 そのような信頼はどのように形成されたのだろうか。 アメルスは 「まずよく聞くことが最も重要だ」と強調した。 一方的に政府の計画を説明し、これを貫徹させる方式は、正しくもなく、可能でもなかった。 彼は「住民たちの目線の高さでどこまでも質問を受けて答えた。 その意見を集めて送電網建設計画に反映すると約束する。 住民たちの意見を十分に聞くことであり、その意見を実際に尊重して省察するという認識を住民たちに植え付けることが核心」と語った。

 住民たちとの接触を通じて実質的代案を探し、これを実際の計画に反映するには事業進行過程を透明に公開することも何より重要だ。 アメルスは 「ドイツ政府も以前にはこのような情報を公開しなかったし、葛藤が繰り返されていた。 だが、私たちはスウェーデンやデンマークなどの対話モデルを参照し、ドイツの実情に合うように適用した」と説明した。

 韓国社会にもウムベルトヒルペのような仲裁機構があったとすればどうなっただろうか? 密陽(ミリャン)でも仲裁の試みがなかったわけではないが、特別な意見接近を成し遂げられないままに失敗した。 去る10月の工事再開以後、市民社会の仲裁要求は黙殺された。 アメルスに慶南(キョンナム)密陽(ミリャン)で起きている765kV送電線葛藤に仲裁の余地があるかを尋ねたところ、このような答が戻ってきた。

 「まず国家が立ち上がって、十分に、本当に十分に住民たちと対話をするならば、可能になりうるだろう。まずその送電網がなぜ絶対に必要なのか、妥当で合理的な理由がなければならない。 ドイツでは脱核社会に進むために、風力発電などの再生エネルギー事業の育成のために、380kV送電線が必ず必要だという点を住民たちに説明している。 密陽の765kV建設事業にはそのような合理的な理由があるのか?」 ベルリン(ドイツ)/ソン・ホギュン記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/614049.html 韓国語原文入力:2013/12/04 21:08
訳J.S(1580字)

関連記事