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[社説]「成長の陰」を抱えて出発する習近平体制

登録:2012-11-14 23:43 修正:2012-11-15 00:21

 第18次中国共産党全国代表会議(党大会)が昨日幕を下ろした。10年間中国を引っ張ってきた胡錦濤総書記が退いて、習近平 新総書記を筆頭とする第5世代指導部が今日公式スタートする。

 前任者から世界2位の経済大国を引き継がれた習総書記の肩の荷は重くならざるをえない。対外的には経済力にふさわしい信頼を築かなければならず、国内では1970年代末以降まい進してきた成長一辺倒の路線の弊害をぬぐわなければならないからだ。特に急速な経済成長の過程であらわれた特権層の不正腐敗、貧富の差は爆発直前の危険水位に達している。民主主義と人権を望む市民の漸増する要求もただ聞こえないふりをしているわけにはいかない。このような国内外の課題を成功裏に克服できなければ彼の将来はバラ色でなくイバラの道となるだろう。

 しかし党大会を通じてあらわれた指導部の認識は安直に見える。胡前総書記は党大会の業務報告で不正腐敗と不平等、不均衡、貧富の差、政治改革の必要性などを認めたものの、明確な解決法は提示できなかった。‘中国式社会主義’の道を固く守りながら政治改革を推進するということだ。問題を解決するという意思より指導部の分裂防止に重きを置いた、新旧指導部間の改革派と保守派間の不明瞭な妥協の産物という解説が支配的だ。

 党内民主主義の拡大次元で導入した「差額選挙」も残念なことこの上ない。今回の党大会中央委員選挙で候補者中19人が落選して9.3%の落選率を記録したが、これは5年前より落選者が2人増えたに過ぎない。このような形だけの改革では、4億人にもなるインターネット使用者を通じて情報があっという間に広まり、住民の抗議で環境汚染開発計画が取り消しになる情報化・民主化時代ではもちこたえにくい。

 習総書記は、急成長の陰で育った毒きのこを除去することに、より積極的に力を注がなければならない。ジニ係数が0.50を越える程に深刻な貧富の差や、薄煕来事件を通じてあらわれた指導部の不正腐敗をそのままにしていては成長の持続どころか混乱が大きくなるだけだろう。公平と正義を土台にした中国の安定的発展は、中国はもちろん世界の平和と安定にも緊要だ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/560597.html 韓国語原文入力:2012/11/14 19:16
訳T.W(1031字)

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