ハン・ドクス前首相が、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領による12・3非常戒厳宣布に衝撃を受け、当時の大統領室の状況を覚えていないという趣旨の証言を法廷で続けている。
ソウル中央地裁刑事33部(イ・ジングァン裁判長)は24日、内乱首謀ほう助などの容疑で起訴されたハン前首相の裁判で、被告人尋問をおこなった。
この日の公判でハン前首相は「キム・ヨンヒョン前国防部長官と会話した際に、キム前長官が左手で数字を表示するのを見たことを覚えているか」と弁護人に問われ、「そのようなことはまったく認識できていなかった」と述べた。
ハン前首相は、尹錫悦前大統領による非常戒厳宣布で衝撃を受け、当時の状況は覚えていないとの立場だ。ハン前首相は「あまりにも大きな衝撃を受けたため、目は開いているものの、何を見ているのかは明確でなかった」と語った。戒厳当日は大きな衝撃を受けた状態だったため、状況の認知そのものが難しかった、との主張だとみられる。
内乱事件を捜査するチョ・ウンソク特別検察官(特検)チームが先に確保した昨年12月3日の大統領室の防犯カメラ(CCTV)映像には、ハン前首相がキム前長官と国務会議の議決定足数(11人)を確認する様子が映っている。キム前長官は指で「あと4人」、「あと1人」などとハン前首相に示しつつ、国務会議の定足数を点検した、というのが特検チームの説明だ。ハン前首相は「戒厳を阻止するために国務会議の招集を建議した」と主張してきたが、特検チームは戒厳の手続き的な大義名分を得るために国務会議が招集されたとみている。
ハン前首相はこの日、大統領執務室で戒厳関連文書を受け取ることになった経緯を特検チームから集中的に追及されたが、同様に「覚えていない」という返事ばかりを繰り返した。当時のCCTV映像を見ると、大統領執務室から出てきたハン前首相の手には2件の文書が握られており、その後、チョ・テヨル前外交部長官、キム・ヨンホ前統一部長官らが文書を回し読みする様子も捉えられている。
しかしこの日、ハン前首相は「覚えていない。事後的にみると、大接見室でキム前長官が戒厳宣布文をコピーして配る時、CCTVに私がいたと理解している」と語った。「幽体離脱式」話法で、当時の状況を覚えていないことを強調している。