本文に移動

正職員なのに3カ月で契約満了、抗議したら解雇…障害者泣かせの障害者自立団体=韓国

登録:2025-06-19 23:47 修正:2025-06-20 09:58
正職員募集し、契約から1カ月で 
「3カ月の試用期間後に契約満了」一方的通知 
抗議したら試用期間も終わらないうちに解雇 
登録職員を減らして労働法回避か
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 仁川(インチョン)のある障害者自立団体で、正職員として採用するとして視覚障害者と試用期間のある雇用契約を結び、その後、解雇するという事件が発生し、管轄する区が経緯の把握にあたっている。労働基準法の適用を避けるために書類上5人未満の事業所のかたちを維持しようとしていたことをうかがわせる状況も、複数確認された。

 19日の仁川西区(ソグ)、雇用労働部仁川北部支庁などの話を総合すると、仁川のある障害者自立団体は今年3月、社会福祉士として視覚障害者のJさん(30)を採用した。政府が運営する求人求職サイト「雇用24」にアップされた同団体の採用情報の一部を見ると、雇用形態として「期間の定めのない勤労契約」を提示している。これは正職員雇用を意味するが、同団体はJさんに3カ月間の試用期間のある雇用契約を提示。Jさんは「特別なことがなければ自動的に契約が延長されると言われて雇用契約を結んだ」と語った。

 しかし、働きはじめてから約1カ月がたったころ、Jさんは団体の代表から面談の席で、試用期間が終われば契約が満了すると通告された。当時の状況が記録された音声ファイルを確認すると、契約終了の理由を問うJさんに、代表は「理由は内部的なことなので共有できない」と述べている。地方労働委員会などは最近、契約を終了する際には試用期間であっても、あらかじめ具体的な評価基準を設けておいたうえで、どのような点が基準に達していないかなどを明確に説明しなければならないとする決定を下している。

 代表はその後、Jさんが不当解雇として通報することを予告したこと、会話の内容を録音した行為などが会社の雰囲気を害することを理由に、試用期間の終了前に解雇を通告してきた。

 問題は、この団体は5人未満の事業場になっているため、労働基準法が適用されないということだ。区の関係者は「経緯を確認するために現場に出向いたが、同団体は5人未満だと主張する。実際に登録されている労働者の数も4人」だと述べた。だが、数々の状況からみて、この団体はすぐ隣の事務所を使っている業者と同一の事業所だと考えられる。両業者は看板で同じ名前とマークを使っており、隣の団体のウェブサイトに掲載されている組織図を見ると、Jさんが属していた団体の業務を自社の業務としている。Jさんは「彼らは昼休みに一つの事務所で一緒に食事しており、カカオトークの団体チャットルームで業務の話をしている」とも語った。

 労働法律事務所「ポダプ」の労務士のキム・ソンミさんは、「雇用労働部が調査に入れば、形式的な常時勤労者の数だけでなく、実際の運営形態まで考慮して判断する」とし、「組織図に含まれているとか、業務を指示する代表がもう一方の側の職員にも指示していれば、同じ事業所だと判断されうる」と話した。

 雇用労働部仁川北部支庁の関係者は「この事業所についてJさんからパワハラ通報が入っており、検討している」とし、「(労働基準法を適用するには5人以上の事業所でなければならないため)常時勤労者数が5人以上なのかをまず確認している」と話した。これについて同団体の代表は、「警察の調査が行われていると認識している」と述べるにとどまった。

イ・スンウク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/capital/1203767.html韓国語原文入力:2025-06-19 22:37
訳D.K

関連記事