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尹錫悦、キム・ゴンヒ夫妻の疑惑を総網羅…「3大特検政局」の幕開け

登録:2025-06-11 06:44 修正:2025-06-11 08:40
内乱、キム・ゴンヒ、C上等兵特検法、10日に公布 
李大統領「内乱の審判熱望する国民の意思を尊重」
第21代大統領選挙日の3日午前、尹錫悦前大統領夫妻がソウル瑞草区の元明初等学校に設けられた瑞草4洞の第3投票所での投票を終え、記者団の質問に答えず、笑顔で移動している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 与党「共に民主党」の主導で国会で可決された、いわゆる「3大特検法」(内乱特検法、キム・ゴンヒ特検法、海兵隊員C上等兵特検法)が10日午前、国務会議の審議・議決を経て公布された。これを受け、早ければ今月中に、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領とキム・ゴンヒ氏夫妻をめぐる様々な疑惑を糾明するための「特検政局」の幕開けとなる見通しだ。

 李大統領はこの日、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領室で就任後2回目の国務会議を開き、3大特検法を審議・議決した。3大特検法はその後、李大統領の裁可を経て官報に掲載され、同日公布された。

李在明大統領が10日、ソウル龍山の大統領室で国務会議を開き、議事棒を叩いている/聯合ニュース

 李大統領はその後、フェイスブックへの投稿で、「李在明政権第1号法案の3大特検法(を公布したこと)は、内乱の審判と憲政秩序の回復を熱望する国民の意思を尊重するための決定だ」とし、「拒否権に阻まれ、まともに行使できなかった国会の立法権限を、これから再び国民の皆様にお返ししたい」と述べた。さらに「今回の特検を機に、国民の皆さんが望む真実が民主主義原則のもと、透明かつ詳細に明らかになることを期待する」とも綴った。

 3大特検法は、尹前大統領夫妻をめぐる様々な疑惑を網羅している。「内乱特検法」は内乱行為、外患行為、軍事反乱など、尹錫悦前大統領の12・3非常戒厳宣布と関連した犯罪疑惑11件を捜査対象とし、「キム・ゴンヒ特検法」はキム・ゴンヒ氏のドイツモーターズ株価操作疑惑とブランドバッグ授受疑惑、「コンジン法師」関連疑惑、政治ブローカーのミョン・テギュン氏がかかわった選挙候補公認への介入と違法な世論調査疑惑など、計16件を捜査の対象としている。また「C上等兵特検法」の場合、2023年7月の水害当時、行方不明者の捜索作戦中に発生した海兵隊員C上等兵の死亡の経緯と大統領室などによる捜査妨害疑惑を取り上げる。

 3大特検法が公布されたことを受け、ウ・ウォンシク国会議長は同日午後、直ちに李大統領に特別検察官の任命を要請した。民主党と野党「祖国革新党」も、特別検察官の推薦(それぞれ1人ずつ、計6人)に向けた作業に拍車をかけている。両党はもともと、民主党の時期院内代表選出(13日)以降に特別検察官の候補リストを作成する計画だったが、もっと速度を上げ、パク・チャンデ院内代表の任期が終わる前に推薦手続きを終えるようにするとの方針だ。

 現在、両党の内外では、検察総長だった尹錫悦前大統領が影響力を及ぼす検察首脳部と対立したチョ・ウンソク元監査委員と、キム・ヤンス弁護士、ハン・ドンス弁護士などの名前が有力に上がっている。チョ元監査委員は、文在寅(ムン・ジェイン)政権でソウル高等検察庁長と法務研修院長を務めた人物だ。今年1月初め、監査院長職務代行を務めていた時期には、ずさんさと見逃しで批判を受けた官邸移転疑惑の監査結果に対し職権で再審検討を指示もした。キム弁護士は「特捜通」の人物として釜山高等検察庁次長を務め、2022年に法務研修院研究委員に左遷された後、検察を離れた。ハン弁護士は最高検察庁監察部長を務めた当時、検察・メディア癒着疑惑などを監察し、尹錫悦検察首脳部と衝突したことがある。

 一方、李大統領はこの日の国務会議で、検事懲戒法も共に議決した。この法案は、従来は検察総長に限られていた検事に対する懲戒請求権を法務部長官にも与え、検事の過失が疑われた場合は、長官が法務部監察官に指示し調査できるようにする内容が含まれている。

コ・ハンソル、コ・ギョンジュ、キ・ミンド記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1202098.html韓国語原文入力:2025-06-10 22:38
訳H.J

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