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20日午後、ソウル中区の世宗大路一帯で、大韓医師協会主催で開かれた「医療正常化に向けた全国医師決起大会」に参加した辞職専攻医、医学部生、医師などがスローガンを叫んでいる＝キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

　韓国政府は来年度の医学部増員方針を撤回し、医師集団に「白旗」を掲げた。しかし、その直後に迎えた週末、医師と医学部生たちはソウル都心で集会を開き、「必須医療政策パッケージを含む医療改革を中止せよ」と声を高めた。医師団体が医学部の増員撤回以降も、他の要求事項を貫くために無理な行動をしているという批判が高まっている。

　大韓医師協会（医協）は20日午後2時、ソウル中区（チュング）の崇礼門（スンレムン）一帯で、「医療正常化のための全国医師決起大会」を開催した。主催側の推算によると、2万5千人が集まった。医協のキム・テクウ会長は、「医療を破壊した政権は、結者解之（結んだ者が解くべき：問題や困難を引き起こした人にその問題を解決する責任があるという意味）の責任を果たさなければならない」とし、「政府は過ちを認め、責任ある謝罪と収拾策を提示すべきだ」と主張した。

　休学から復帰してからも授業拒否闘争を続けている医学部生たちは、それぞれの大学の旗とともに集会に集結した。40大学の医学部の名前が呼ばれるたびに、医学部生たちは大声で応えた。集会が始まり「主文、被請求人大統領尹錫悦（ユン・ソクヨル）を罷免する」というムン・ヒョンベ前憲法裁判所長権限代行の映像が流れると、歓呼の声を上げた。

　医学部生たちの闘争を率いる大韓医学部・医学専門大学院学生協会（医大協）のイ・ソヌ非常対策委員長は、発言台に上がり、「（政府は）学生たちが授業に復帰したと広報しているが、このように多くの人々が集まっているだけでも、医療界に依然として多くの問題が山積していることを伝えるのに十分だと思う」としたうえで、「尹錫悦罷免後、政府は2026年募集人員を従来の水準に調整すると発表しながらも、2027年度からは受給推計委員会を通じて『増員』する方針を示している。医学部の定員は科学的推計によって、そして教育現場が受け入れられる範囲内で決められなければならない」と述べた。

　政府は医学部生の復学に向けた名目作りとして、従来の立場を覆してまでして、来年度の医学部募集人員を増員前の規模である3058人に戻した。医学部を持つ大学の総長らは医協に対し、医大生の授業復帰を促す立場を発表してほしいと求めたりもした。だが、キム・テグ医協会長はこの日の集会で、「医学部生や専攻医たちは口々に復帰する名目がないと言っている」とし、「皆さんが始めた叫びは正しかった。医療の本質を守る戦いを一緒に始めよう」と述べた。医協副会長を務めた大韓専攻医協議会（大専協）のパク・タン非常対策委員長は、「我々は誰も行ったことのない道を歩んでいる。それぞれの場所で、それぞれのやり方で最後まで最善を尽くそう」とだけ述べた。

　医協はこの日の決起大会で「必須医療パッケージを含む医療改革を中止し、政府と国会で専攻医および医学部生の要求案を含め保健医療政策全般を医協と共に再設計しなければならない」と要求した。また、教育部に対し「各大学の教育環境に対する医学教育評価院の再認証を実施し、教育が不可能な医学部に対しては入学定員の調整などの代案を提示すべき」と主張した。

　同日の集会は、医協が大統領選挙前に与野党を相手に交渉力を引き上げ、内部結束に乗り出すためのものとみられる。キム会長は「大統領選候補らに保健医療公約を提案し、責任を持って要求しよう」と述べた。

　政府を圧迫する医協を巡り、医療界と市民社会では「後先を考えずに集団利益だけを貫こうとする要求を受け入れてはならない」（保健医療労組）という批判の声があがっている。

　「経済正義実践市民連合」のナム・ウンギョン社会政策局長は「揺ぎなかった『医学部増員』が戒厳事態を機に後退し、今は大統領選挙も控えているため、これを利用してこれまで不満があった医療改革の撤回まで勝ち取ろうとしている」とし、「医協を含む医療界は今まで何も譲歩したことがない。最後の一つまでも何もかも出せといっている」と批判した。

　「健康権実現のための保健医療団体連合」のチョン・ヒョンジュン政策委員長は、「（医協は）反対するだけで、代案を示さない拒否戦略を展開している。（政府の政策を）なかったことにする以外は何も語っていない」とし、「専門家団体として無責任な団体になった」と語った。