内乱首謀容疑で拘束起訴された尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の起訴状に、ハンギョレなどの報道機関への電気と水の供給の遮断を指示した容疑が記載されれていることが分かった。
3日のハンギョレの取材の結果、検察非常戒厳特別捜査本部(本部長:パク・セヒョン高等検察庁長)が先月23日に尹大統領を起訴した際、起訴状に、ハンギョレ、京郷新聞、文化放送(MBC)などの報道機関に対する電気および水の供給の遮断を指示した容疑も記載していたことが確認された。特捜本は、尹大統領の指示でイ・サンミン前行政安全部長官がホ・ソッコン消防庁長に主要報道機関に対する電気と水の供給の遮断を指示したことを疑い、この容疑を尹大統領の起訴状に記載したのだ。
野党「共に民主党」のユン・ゴニョン議員は先月13日の国会行政安全委員会の懸案質疑で、ホ庁長に「(非常戒厳当日)イ前長官が庁長に相談または通知したのは、主要報道機関への電気と水の供給の遮断に関する内容だったのか」と質問した。これに対してホ庁長は「(イ前長官から)いくつかの報道機関について『警察庁から電気と水を断つよう要請があれば協力せよ』と電話で言われた」と答えている。ホ庁長はこのような内容を消防庁のイ・ヨンパル次長に伝え、イ次長はソウル消防災害本部のファン・ギソク本部長に電話し「警察の要請があれば協力せよ」という趣旨の話をしたという。イ前長官を捜査した高位公職者犯罪捜査処(公捜処)は最近、ホ庁長、イ次長、ファン本部長らを呼んで事情聴取している。
尹大統領の起訴状には、イ・サンミン前長官がチョ・ジホ警察庁長にまず電話をかけ、その後、ホ長官と通話したという内容も記されているという。イ前長官は非常戒厳当日の昨年12月3日午後11時34分ごろにチョ庁長に電話をしており、3分後の午後11時37分ごろにはホ庁長と通話している。特捜本は、イ前長官はこの時の通話で、警察にも電気と水を断つよう指示していた可能性があるとみているという。ただ、イ前長官とチョ長官は捜査機関に、その時はチョ長官が尹大統領と通話中だったため、2人で長くは話せなかった、という趣旨の供述をおこなっている。そのため、実際にどのような過程を経て報道機関への電気と水の供給を断てとの指示がなされたのかは、さらなる捜査が必要だ。
イ前長官の事件は、公捜処が検察から移牒を受けて捜査し、さらに警察に引き渡されている。この事件を捜査する警察非常戒厳特別捜査団は今後、電気と水の遮断の経緯などを本格的に捜査するものとみられる。
※検察が起訴状に記した容疑内容は、最終的に裁判所の判決で確定されます。