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アリセル火災犠牲者の8割が中国同胞…「移住労働者最大の労災」=韓国

登録:2024-07-23 08:44 修正:2024-07-23 11:38
アリセル重大災害惨事対策委員会、緊急討論会を開催
京畿道華城市のリチウムバッテリー製造メーカー「アリセル」の工場火災の翌日の25日午前、火災現場で国立科学捜査研究院の合同鑑識が行われている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 アリセル重大災害惨事対策委員会は、移住労働者を雇用する事業所に対する労働監督の拡大、有名無実の危険性評価制度の改善など、惨事の再発防止策を求めた。専門家は今回の惨事を、かなりの数の移住労働者が働く小規模工場の違法な雇用慣行、ずさんな安全管理がもたらした「移住労働者最大の集団労災惨事」と規定する。

 22日、華城(ファソン)地域の市民団体、民主社会のための弁護士会、民主労総などからなるアリセル対策委と共に民主党、祖国革新党、進歩党、基本所得党、社会民主党などは、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会議員会館で「アリセル重大災害惨事の原因と再発防止策緊急討論会」を開催し、先月24日に京畿道華城のアリセルの工場で発生したリチウムバッテリー爆発事故の再発防止策を議論した。対策委は討論会で、実質的な危険性評価のための法制度の改善▽無分別な違法人材供給業者に対する実態調査▽移住労働者を雇用する事業所に対する労働監督の拡大▽官民合同の事故調査委員会の設置、などを要求した。

 参加者たちはアリセル惨事について、特に移住労働を中心とした韓国産業界の底辺の大雑把な労働関係と安全管理が赤裸々にあらわになった事件だと指摘した。アリセル対策委のパク・セヨン共同執行委員長は、「移住労働者は非常に危険な小規模事業所で働く割合が高いため、脆弱な安全保健構造で言語と文化の違いという二重三重の危険にさらされている」とし、今回の惨事を「移住労働者最大の集団労災惨事」と規定した。アリセル惨事の23人の犠牲者のうち18人は中国同胞などの移住労働者だ。

22日に国会議員会館で開かれた「アリセル重大災害惨事の原因と再発防止策緊急討論会」で、参加者たちが集合写真を撮っている=コ・ギョンジュ記者//ハンギョレ新聞社

 この日の討論会に参加した専門家たちも統計を示しつつ、韓国社会の小規模事業所とそこで働く移住労働者の置かれている状況を診断し、改善を要求した。仕事環境健康センターのリュ・ヒョンチョル理事長は、移住労働者の業務上死亡万人率(1万人当たりの死者数)は1.39で、就業者全体(0.77)の2倍以上になることなどを述べつつ、「小規模下請け事業所は危険管理資源が欠如しており、(そのような中で)利潤を得るために移住労働者を雇用しているため、危険を冒した労働がまん延している」とし、「危険の外注化が危険の移住化へとつながっている」と指摘した。アリセルは社員数50人ほどの小規模事業所で、死者のかなりの数が違法派遣の疑われる日雇い労働者だった。

 バッテリーの爆発の危険性を考えれば予想された惨事だった、という現場労働者の証言も飛び出した。金属労組サムスンSDI天安(チョナン)支会のチョン・ギベク事務長は、「電池は充電、放電する瞬間から発火の危険性が生じるため、予測可能な事故だった」とし、「初期消火の過程でバッテリーが積んであったトレイを素手で触ったり、防毒マスクを使っていなかったりといった様子を見ると、外国人労働者に安全教育、消防訓練などがきちんとなされていたのか疑問」だと語った。

コ・ギョンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1150171.html韓国語原文入力:2024-07-22 17:04
訳D.K

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