京畿道華城(ファソン)の「リチウム電池爆発惨事」が発生した電池メーカー「アリセル」の工場の構造が無断で変更されていたことをうかがわせる状況が発見された。労働者の作業スペースに危険物を置いておきながら、図面では別の場所に保管していたかのように記載していたのだ。
26日にハンギョレ21が進歩党のチョン・ヘギョン議員室を通じて確保したアリセルの最近の内部構造を示した図面を見ると、火災が発生した場所と作業者の業務スペースがまったく分離されていない。火災や爆発の危険性があるリチウムバッテリーは関係法令上、危険物と見なされ、作業に必要な量以外は別の場所に保管しなければならない(産業安全保健基準に関する規則第16条)。ところが火災が発生したバッテリーの積載場所は、労働者の作業ラインと同じスペースにあった。実際に防犯カメラ(CCTV)の映像にも、火災が起きた場所のすぐ前で労働者たちが働いており、煙を見て驚いて走ってくる様子が映っている。
だが、消防がこの日公開したアリセルの2018年の工場内部の図面を見ると、火災が発生したバッテリー保管場所は別途の独立したスペースのように描かれている。労働者が働く作業場とは別の隔離された場所にバッテリーが保管されているように描かれているということだ。
華城消防署の関係者はハンギョレ21に、「アリセルが2018年に提出した図面をもとに報道機関には説明したが、CCTVの映像と比較してみると、図面と実際の構造が異なっていることが確認される」とし、「合同捜査本部の捜査によって明らかになるべき事案」だと語った。アリセルの工場使用が承認された2018年当時は危険物を積載するスペースが別途描かれている図面を提出し、実際の事業では内部構造を任意に変更していた可能性がある。
火災や爆発の危険性が常にあるリチウムバッテリーを別のスペースで管理していたなら、これほど多くの犠牲者を出さずに済んだ可能性がある。火災が起きたバッテリーの積載場所が作業場と同じスペースにあったせいで、有毒ガスが急激に広がったからだ。さらに、バッテリー積載場所は非常階段に向かう出入口のそばだった。労働者が非常階段に向かうには、炎の上がっている場所の横を通らなければならない構造だった。