韓国では、考試院(簡易宿所)や宿泊業者の客室、仕事場の一部、ビニールハウスなど、住宅ではない「脆弱住居」(オフィステルを除く)に居住する世帯数が、最近5年間で20%近く急増したことが分かった。首都圏だけで考試院などに居住する世帯数が13万7256世帯で、脆弱住居全体の60%を占めた。再建築・再開発など整備事業の過程で追い出された老朽住宅の低所得世帯が、適当な安価な住宅を見つけられず、脆弱住居に押し出されたとみられる。
17日、国会国土交通委員会のホ・ジョンシク議員(共に民主党)が国土交通部から提出を受けた報告書「2022年住宅以外の住居の実態調査」によれば、昨年の全国の脆弱住居居住世帯数は5年前より7万3625世帯増えた計44万3126世帯。
この実態調査は、国土部の依頼で韓国土地住宅公社(LH)土地住宅研究院と韓国統計振興院が遂行した研究課題だ。住宅以外の居住地に住む全国の標本世帯9955世帯を調査員が直接訪問する対面面接調査で行われた。2017年に続く2回目の調査だ。
実態調査によれば、全国の脆弱住居の中で「仕事場(食堂・農場・工場など)の一部空間」に住む世帯(16万9479世帯・38.2%)が最も多かった。次いで「考試院・考試テル」35.7%(15万8374世帯)、ホテル・旅館など「宿泊業者の客室」13.1%(5万8155世帯)の順だ。
特にソウル・仁川・京畿道からなる首都圏では「考試院・考試テル」に住む世帯数が13万7256世帯(60%)で圧倒的比重を示した。また、宗教施設、公民館、コンテナ、高速道路サービスエリアなど住居環境が劣悪な「その他の住居」に住む世帯は、住宅以外住居の10.6%(4万6986世帯)を占めていた。
住宅以外の住居で暮らす世帯主の平均年齢は52.5歳、世帯員数は平均1.4人だった。大部分の世帯(89.9%)は勤労活動をしているが、世帯全体の66.3%は低所得層(所得下位1~2分位)に該当した。最近4~5年間、住宅価格の上昇期に活発になった整備事業で、それまで住んでいた安価な老朽住宅から押し出された低所得世帯の相当数が脆弱住居に移ったと推定される。
ホ・ジョンシク議員は、「地方自治体レベルで標準賃貸条件(考試院など)を設定するなど、住居脆弱階層が負担できる住居費ガイドラインを用意する必要がある」と話した。