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韓国、「ヌリ号」実戦打ち上げ成功…「ニュースペース」時代切り開く

登録:2023-05-26 03:33 修正:2023-05-26 08:11
韓国型ロケット「ヌリ号」から主搭載衛星である次世代小型衛星2号が分離される様子=韓国航空宇宙研究院提供//ハンギョレ新聞社

 韓国型ロケット「ヌリ号」が25日、3回目の打ち上げに成功した。昨年の2回目の「打ち上げ実験」に続き、実用衛星を軌道に乗せる初の「実戦打ち上げ」も相次いで成功したことで、韓国宇宙産業のロケット製作と打ち上げ運用能力に対する内外の信頼も大きく高まることになった。これによって韓国宇宙産業は、民間が宇宙産業を主導するいわゆる「ニュースペース」時代の第一歩を踏み出したと評価される。

 学技術情報通信部のイ・ジョンホ科長官は、25日午後7時50分、全羅南道高興(コフン)の羅老(ナロ)宇宙センターのプレスセンターでブリーフィングを行い、「ヌリ号の3回目の打ち上げが国民の関心と声援の中で成功裏に完了した」と語った。イ長官はただし「主搭載衛星である次世代小型衛星2号とチューブ衛星6基は正常に分離されたことを確認したが、4基のトヨサット(編隊を組んで任務を遂行する衛星。アルファベットの訳語SNIPEが英語でシギを表すため、韓国語でシギを意味するトヨセとかけてこう呼ばれる)のうち1基については射出成功を確認するために若干の時間が必要」だと語った。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領はヌリ号の3回目の打ち上げ成功のニュースに「韓国が宇宙強国G7(主要7カ国)に仲間入りしたことを宣言する快挙」と祝辞を述べた。尹大統領は同日夕方、報道官室を通じて出した立場表明文で「独自製作した衛星を独自製作した発射体に搭載して宇宙軌道に乗せた国は、米国、フランス、日本、ロシア、中国、インドだけだ」とし「全世界で大韓民国の宇宙科学技術と先端産業に対する見方が大きく変わるだろう」と述べた。

韓国の独自技術で開発された韓国型ロケット「ヌリ号(KSLV-Ⅱ)」が25日午後、全羅南道高興郡の羅老宇宙センターから打ち上げられている。今回のヌリ号の3回目の打ち上げは、次世代小型衛星2号1基とキューブ衛星7基の実用級衛星を搭載した初の事例//ハンギョレ新聞社

 ヌリ号は2010年に始まった韓国型ロケット開発計画に沿って、韓国航空宇宙研究院(航宇研)主管のもと、300社あまりの国内企業が参加して作られた。ヌリ号は当初、24日に打ち上げられる予定だったが、打ち上げ準備自動制御システムと発射台機器の制御システムとの間の通信異常が発見されたため、1日遅れで打ち上げられた。科学技術情報通信部と航宇研は25日午前11時に打ち上げ管理委員会(委員長:オ・テソク科技情通部第1次官)を開き、前日に発見された問題に対する措置の結果を検討したうえで、この日の打ち上げを進めることを決めた。

 これを受け、23日午前から発射台に据え付けられていたヌリ号には午後3時40分から燃料充填が開始された。予定通り午後6時24分にヌリ号は第1段エンジンの推力が300トンに達し、ロケットを支えていた固定装置が自動解除され、空に舞い上がった。

 羅老宇宙センターを離陸したヌリ号は、打ち上げの2分5秒後に第1段ロケットを分離し、3分54秒後に搭載物を保護するカバー「フェアリング」を分離した。目標高度の550キロまで上昇し、搭載していた衛星の分離を開始したのは、打ち上げから13分3秒後だった。主搭載衛星である次世代小型衛星2号(NEXTSAT-2)を皮切りに、キューブ衛星(超小型衛星)であるジャスタック(JAC)、ルミル(LUMIR-T1)、カイロスペース(KSAT3U)、トヨサット(SNIPE)の5基の衛星が順次分離された。

高興(羅老宇宙センター)/キム・ジョンス先任記者、チェ・ユンテ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/1093398.html韓国語原文入力:2023-05-25 19:58
訳D.K

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