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韓国大統領室「盗聴疑惑は偽り」…根拠も示さず米国をかばうだけ

登録:2023-04-12 06:29 修正:2023-04-14 08:36
米国情報機関による同盟国盗聴の波紋
11日午後、ソウル龍山区の大統領室前で、全国民衆行動主催で「米国の盗聴は明白な主権侵害!米国糾弾および屈辱外交尹錫悦政権糾弾記者会見」が開かれた。参加者たちが米国からの謝罪と再発防止の約束を取り付けることを求めパフォーマンスを行っている=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 大統領室は11日、米中央情報局(CIA)による国家安保室盗聴・通信傍受の情況が含まれている「機密文書」について、「両国の国防相は当該文書のかなりの部分が偽造されたという事実で見解が一致した」と述べた。主権侵害を受けても米国に謝罪の要求さえしないことに対し「低姿勢」という批判の声が上がっていることを受け、「堅固な韓米情報同盟」を前面に掲げ急いで幕引きを図り、26日の韓米首脳会談に向かいたい構えだ。

 大統領室は同日、報道官室の名義でこのような内容の公示文を発表し、「龍山(ヨンサン)大統領室の盗聴・傍受疑惑はとんでもない虚偽の疑惑であることを明確にする」と強調した。前日「事実確認が優先」という発言からさらに一歩踏み込んで、盗聴・傍受は「偽り」であり、文書の内容も「かなりの部分が偽造」だと主張したわけだ。

11日午前、キム・テヒョ国家安保室第1次長が尹錫悦大統領の米国国賓訪問の最終調整のために仁川国際空港第2ターミナルを通じて出国している/聯合ニュース

 キム・テヒョ国家安保室第1次長は訪米のための出国時、記者団に対し「今朝、両国の国防相が電話で話し合い、両国の見解が一致した」とし、「公開された情報のかなりの部分が偽造されたもの」と述べた。それと共に今回の盗聴疑惑は「(韓米同盟に)影響を及ぼす要因にはなり得ない」とし、「世界最強の情報国である米国の力は大きな資産」だと強調した。また、「(米国側に立場を伝える)内容がない。なぜなら誰かが偽造したためだ」とし、「ただし、米国は法務省を通じて経緯と黒幕を探し始めるだろうし、時間が少しかかるだろう」と語った。同日、ロイド・オースティン米国防長官は、イ・ジョンソプ国防部長官との電話で、米国の軍事機密漏洩に関するマスコミ報道の状況を説明し、この問題と関連して韓国政府と緊密に意思疎通を図り、全面的に協力していくことを約束したと、韓国国防部が伝えた。

 しかし「かなりの部分が偽造」という大統領室の主張は、「米国が調査中」という説明と矛盾するだけでなく、ホワイトハウスの説明とも温度差がある。米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略疎通調整官は10日(現地時間)、ブリーフィングで「一部(some of them)がねつ造されたことを知っている」とし、「ねつ造されていないものとみられるすべての文書の有効性については現段階では発言を控える」と述べた。国防部のチョン・ハギュ報道官も、韓米国防相の電話に関するブリーフィングで、「どの部分が偽造されたのか」、「米国側がどのような説明をし、韓国の長官がどのように答えたのか」という質問に対し、「話せることはない」と答えた。

 大統領室は偽造と判断する根拠も具体的に示していない。大統領室関係者は偽造の判断の根拠を尋ねると、「どの問題についていつ、どのように、どれほど知っているかということも非常に重要な機密事項でありうるため、直接言及することはできない」と答えた。CIAの機密文書に登場したキム・ソンハン前国家安保室長は、大統領室の独自調査過程で、「報道された内容と(実際の対話に)かなりの相違点がある」と答えたという。キム前室長とイ・ムンヒ元外交秘書官は、ポーランドを通じて韓国製155ミリ砲弾33万発をウクライナに迂回支援する案などを話し合ったと、機密文書には記録されている。

 大統領室は盗聴・傍受の有無については明確な答弁を避ける一方、今回のことを「龍山への大統領室の移転」と結びつけることには真っ向から反論した。大統領室は「共に民主党は『龍山への大統領室の移転』で盗聴・傍受が行われたという虚偽のネガティブ疑惑を持ち上げ、国民を扇動している」とし、「北朝鮮の絶え間ない挑発と核脅威の中で韓米同盟を揺さぶる自傷行為であり、国益の侵害行為」だと主張した。大統領室関係者は「青瓦台(大統領府)時代、大統領のセキュリティを中心に本館の盗聴・傍受防止施設を優先的に設け、秘書棟のセキュリティ施設には本館ほどの施設はなかったのが事実だろう。龍山への移転後は、大統領と参謀たちが同じ建物に勤務し、龍山庁舎自体が大統領執務室と同じ水準の保安システムを維持している」と強調した。

 これに対して野党「共に民主党」のパク・ソンジュン報道官は「偽造されたという文書を直接原本の文書と対照して確認し、米情報機関の盗聴がなかったことも明確に確認したのか」とし、「このような問いに答えられないのなら、世論をなだめるための虚偽の釈明だ」と批判した。与党「国民の力」のアン・チョルス議員もフェイスブックに「韓国政府は徹底的に調査し、問題が発見されれば確実に提起し、再発防止の約束を取り付けることが必要だ」としたうえで、「友好国の米国に対して私たちの堂々たる態度を示すことが必要な時」だと指摘した。

ペ・ジヒョン、イ・ウヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1087495.html韓国語原文入力:2023-04-12 02:40
訳H.J

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