韓国野党「共に民主党」のキム・ビョンジュ議員は10日、米国中央情報局(CIA)による国家安保室盗聴に関して「大統領室の拙速な(龍山)移転によって時間に追われていたため、保安対策がきちんと取られなかった」とし「大統領室は無防備状態」だと語った。
元陸軍大将のキム議員はこの日、文化放送(MBC)の番組「キム・ジョンベの視線集中」に出演し、「昨年、大統領室を龍山(ヨンサン)に拙速移転した時から、盗聴・通信傍受の確率が高いため備えておくよう問題提起をし続けてきた」としてこのように語った。ニューヨーク・タイムズは8日(現地時間)、CIAがウクライナへの武器支援について韓国国家安保室の通信を傍受していたことが明らかになったと報じた。
キム議員は「(大統領室の)窓は盗聴・通信傍受フィルムを貼ってあるため(盗聴・通信傍受への備えが)できていると聞いているが、壁には対策が取られていないと認識している」とし「大統領室へとつながっているすべての導線と装備に盗聴・通信傍受装置が付いている可能性もある。すべて点検し、補完しなければならない」と主張した。
さらに「大統領室から100メートルほどのすぐ隣りに米軍基地があるということの方が、大きな問題」だとし「昔の言葉で障子、紙の扉のすぐそばに座っている格好だ。部屋の中の声が聞こうとしなくてもすべて聞こえるような状態」だと語った。
キム議員は、韓国政府は米国側に抗議し、再発防止を要求すべきだとも主張した。同議員は「これは主権の侵害であるため強く抗議し、原因分析を行い、その後、再発防止を要求しなければならない」とし、「以前米国がこのような問題を起こした時、一部の国は国賓訪問まで取り消している」と語った。
同党のパク・クァンオン議員も、この日のSBSの番組「キム・テヒョンの政治ショー」で、「今の韓国政府の態度は国民を納得させるには非常に不十分」だとし、「(盗聴の件についての米国との)協議前には、明確な韓国政府の立場がなければならない。『これは主権の侵害だ』という明確な見解の表明をすべきだ」と述べた。
ホン・イクピョ議員も仏教放送ラジオの番組「チョン・ヨンシンの朝ジャーナル」とのインタビューで、「この問題について事実関係を確認するなら、外交的ルートを通じて抗議するのが正しい」とし、「少なくとも駐韓米国大使を呼んで外交部がこれに対する抗議の立場を伝え、再発を防止するくらいの外交的アクションは取るべきではないかと思う。しかし尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は米国と日本に対する過度な低姿勢、顔色伺いに徹しているため、この問題に言及するかは分からない」と語った。