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米国による韓国大統領府の盗聴、40年以上続いた「公然の秘密」

登録:2023-04-11 05:26 修正:2023-04-11 07:06
1976年「コリアゲート」の出所も盗聴・傍受
青瓦台(旧大統領府)本館前=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 米国の情報機関が韓国の大統領府(大統領室)を盗聴・傍受してきたことは「昔からの秘密」だ。

 1970年代、在韓米軍撤退や韓国の人権問題などをめぐり韓国と米国が対立していたさなか、1976年10月の「ワシントン・ポスト」の報道によって、いわゆる「コリアゲート」が暴露された。朴正煕(パク・チョンヒ)大統領(当時)がパク・ドンソン氏などのロビイストを通じて米国の議員や公職者を金で買収したという衝撃的な内容だったが、情報の出所も驚くべきものだった。米国の中央情報局(CIA)が韓国の大統領府を盗聴し、これを把握したのだ。その後「ニューヨーク・タイムズ」は、「高性能な指向性電波探知」を利用することでガラス窓の振動などから盗聴可能だと、大統領府の盗聴方法を詳細に報道した。以降、朴正煕元大統領は米国の盗聴を避けるため、重要な話は執務室ではなく大統領府の庭を散策しながら行った。

 大統領府の盗聴の事実は、ウィリアム・ポーター元駐韓米国大使を通じても確認された。ポーター元大使は1978年4月、ある米国の報道機関のインタビューで「合衆国政府が大統領府に盗聴装置を設置したことはあるか」という質問に「私が赴任する前にそれ(盗聴)が中止されたという報告を聞いた」と明らかにした。

 2013年にも、米国が駐米韓国大使館をはじめとする38カ国の在米公館を盗聴していた事実が明らかになった。米国の国家安全保障局(NSA)の職員だったエドワード・スノーデン氏が、米国が同盟国まで監視していたという事実を暴露したためだ。2016年には、暴露専門サイト「ウィキリークス」が「2008年、NSAがパン・ギムン国連事務総長(当時)とドイツのアンゲラ・メルケル首相(当時)の対話を盗聴した」と明らかにしたこともあった。

 米国の盗聴行為が明らかになるたびに強く抗議し説明を要求する他国とは違い、韓国は1970年代から「正確な事実関係を確認中」という慎重な態度を示してきた。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1087310.html韓国語原文入力:2023-04-11 02:45
訳M.S

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