「1910年3月26日は安重根(アン・ジュングン)義士の殉国日です」(生徒)
「1910年3月26日は大韓帝国が日本に併合された日です」(ChatGPT)
28日午前11時10分頃、全羅北道全州市(チョンジュシ)の槿暎中学ソル館4階の教室で、3年5組の3時限目の韓日共同授業が開かれていた。「ChatGPTと歴史の話」をテーマに行われたこの日の授業は、同校のチョ・ウンギョン教諭と元横浜中学校教諭の鈴木仁さんが進めた第22回韓日共同平和授業だ。
歴史を教えるチョ教諭は20年前の2003年、東京で開かれた歴史シンポジウムをきっかけに、2005年から毎年安重根義士殉国日の3月26日に合わせて共同平和授業を行っている。これまで韓国と日本で33回の共同授業を行った。
この日の授業はチャット型人工知能(AI)の「ChatGPT」を共同授業で初めて活用し、安重根義士とユネスコ文化遺産登録を巡る軍艦島(端島)および佐渡鉱山(「佐渡島の金山」)などを取り上げた。日本の歴史学者とのビデオ通話もあった。
生徒たちの反応は上々だった。キム・ジウンさんは「普段の授業と違って新鮮で、韓日関係について意見を交わすことができて良かった。このような機会を通じて今後世界とコミュニケーションを取れるようになればと思う」と話した。パク・ボムスン君も「初めてやってみる新しいタイプの授業で楽しかったし、外国から招待された先生がいらして良かった」と語った。
鈴木仁さん(69)は「安義士が強調した東洋平和論に感動し、1994年から関心を持っている。日本もテスト中心に教える傾向があり、余裕を持って教える時間が足りない。しかし、これまで正しい歴史を教えようと努力しており、授業をすれば質問もあって、少しずつ生徒たちの変化を感じている。私たちの努力がその一つだ。体力の許す限り、今後も共同授業を続けたいが、自信がない」と語った。2018年に学校を退職した鈴木仁さんは、安重根記念事業会の日本側委員として毎年安重根義士追悼行事に招待されており、共同授業などで2019年3月には韓国の団体から感謝状も贈られた。
チョ・ウンギョン教諭(55)は「今日のようにChatGPTが誤った歴史的事実を語る場合もある。歴史教育においてChatGPTではできないことがあるわけだ。歴史教育の最も重要な始まりと前提は真実を知り、認めることだ。正しい歴史教育を通じて正しい資料が蓄積されれば、正しいアーカイブを作り、AIとも連動するだろう」と話した。