28日に日本の文部科学省が公開した、2024年から日本の小学校で使用される社会科教科書の検定結果を詳しく見ると、歴史的過ちを全力で忘却しようという日本政府の「本音」が読み取れる。
今回の検定で最も目立つ「改悪」は、第2次世界大戦末期に行われた朝鮮人の「徴兵」を努めて隠そうという日本政府の試みだ。東京書籍の6年生用の社会科教科書を見ると、短く髪を切り、軍服を着て並んで座る若者たちの様子を写した白黒写真の下に「志願して兵士となった朝鮮の若者たち」という説明が付いている。2019年の検定通過本に載っていた「兵士となった朝鮮の若者たち」という説明をわざわざ変更し、「志願して」という表現を付け加えたのだ。
1937年7月の日中戦争開戦後、日本は1938年2月に「陸軍特別志願兵令」を公布し、同年4月から兵士になることを望む朝鮮人の若者を戦争に動員しはじめた。その後、戦線が太平洋へと拡大し兵力不足に苦しめられると、1944年に満20歳になる1924年生まれの朝鮮人男性を対象に徴兵制を導入する。「志願」が「強制」へと変わったのだ。したがって、この写真が1938~1943年に撮られたものなら「志願」したという説明は間違っていないが、日本政府が小学校の子どもたちに「朝鮮人徴兵」の歴史を努めて隠そうとしているとの批判は免れがたくなる。
日本の教科書の記述がこのように悪化したのは、安倍晋三第2次政権初期に行われた改悪措置が原因だ。文部科学省は2014年1月、独島(トクト)を日本の固有の領土と表記するよう「学習指導要領解説」を改正し、小中高のすべての教科書にそれが記述されるようにした。
その後、多くのことが変わった。日本政府は、強制動員被害者に対し賠償を支払うよう命じた2018年10月の韓国最高裁(大法院)判決までは「徴用工」という表現を使っていたが、判決後は強制性を除去した「旧朝鮮半島出身労働者」と変更した。2021年4月には「強制労働」と言えば国際法上違法という誤解が生じかねないとし、この表現を使うのは「適切ではない」という内容を閣議決定した。日本の教科書の記述が後退し、今後も後退せざるを得ない理由はここにある。
自国の恥ずべき歴史を手のひらで隠そうとする日本の態度が最もはっきりとあらわになったのは、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が6日に両国間の最大の懸案だった強制動員被害者への賠償問題についての一方的な「譲歩案」を発表した後だった。日本の岸田文雄首相はその後、「1998年10月に発表された日韓共同宣言を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる」と述べた。これは、表向きは韓国の譲歩に呼応する態度を示しながらも、韓日共同宣言に盛り込まれた過去の植民地支配に対する謝罪と反省の語句は省略したものだ。「私たちの子や孫、そしてその先の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」という2015年8月の安倍談話の路線に忠実な対応だ。そしてこれは、「過去は直視し記憶しなければならない」(21日の国務会議での冒頭発言)という尹錫悦大統領の要請に日本が冷淡にならざるを得ない理由でもある。