本文に移動

[社説]「独島、慰安婦」取り扱ったのか、明確な釈明と対応を

登録:2023-03-20 01:45 修正:2023-03-20 07:33
尹錫悦大統領が17日、東京の慶応大学で講演している。尹大統領はこの日の講演で、「朝鮮はもともと日本領土」だと主張した明治時代の思想家の岡倉天心の言葉を引用し、批判を受けている/聯合ニュース

 韓日首脳会談で、強制動員問題以外に両国が鋭く対立する外交懸案である独島(トクト)問題と日本軍「慰安婦」問題がテーブルに載せられたかどうかについて、大統領室の説明が揺らいでいる。「慰安婦」問題は日帝強占期の歴史事件の象徴のような問題であり、独島領有権は折衷や譲歩のありえない領土問題だ。このような敏感な懸案がどのように扱われたのか、政府は国民にありのままに、そして明確に伝える義務がある。

 日本側では、今回の首脳会談で「慰安婦」問題と独島問題が取り上げられたというのが既成事実のように扱われている。日本政府の公式ブリーフィングでは「(岸田文雄)首相が韓日(慰安婦)合意の着実な履行を要求した」と発表されており、日本政府の高官も、首脳会談で議論された韓日間の懸案には「竹島(独島の日本の呼称)問題も含まれる」と述べている。

 しかし、これに対する大統領室の説明は曖昧だったり、言うことが変化したりしている。首脳会談当日の16日には「強制徴用問題をはじめ未来志向的に韓日関係を発展させうる方法に話が集中した。それをもって答弁に代える」として即答を避けたが、17日には報道機関に対する公示で「慰安婦問題であれ独島問題であれ議論されていない」とはっきり示した。しかし、キム・テヒョ国家安保室第1次長は18日の報道機関とのインタビューで、「首脳会談で交わされた首脳の対話はすべては公開できない」とか、「私の記憶では、日本の当局者が我々に独島の話をした記憶はない」と述べた。当初の曖昧な釈明に戻った格好だ。

 2008年には、李明博(イ・ミョンバク)大統領が日本の首相に会った際に、独島の日本領土表記について「今は困る、待ってほしい」と述べたと日本メディアが報道し、波紋を呼んだ。当時は韓国政府はもちろん、日本政府もこれを否定した。一方、今回は日本政府が大っぴらに独島問題と「慰安婦」問題が取り上げられたと主張している状況だ。日本側が首脳会談の内容を歪曲しているのなら、政府は強く抗議・反論すべきだ。

 キム・テヒョ次長は、政府の強制動員解決策について、「日本はびっくりしていた。こんなことをやっても、韓国の国内政治は平気なのか(と反応した)」とまで口にした。国民の意思に逆行する外交政策を展開したことを自画自賛するような態度に驚かざるをえない。また、尹錫悦大統領は慶応大学での演説で、「朝鮮はもともと日本の領土」と主張した明治時代の思想家、岡倉天心の言葉を引用した。「総体的屈辱外交」に他ならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1084228.html韓国語原文入力:2023-03-19 18:01
訳D.K

関連記事