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韓国外交部「日本企業の当面の強制動員財団への寄与は予想していない」

登録:2023-03-11 03:39 修正:2023-03-11 10:04
外交部のチョ・ヒョンドン第1次官が10日、ソウル中区の韓国プレスセンター外信記者クラブで行われた記者懇談会に出席し、発言している/聯合ニュース

 政府による日帝強占期の強制動員被害者に対する賠償の解決策の発表後、日本の被告企業(三菱重工業、日本製鉄)の参加問題をめぐり波紋が広がる中、外交部の高官が日本の被告企業は日帝強制動員被害者支援財団の基金造成に参加しないだろうとの見通しを示した。

 外交部の高官は10日、ソウル中区(チュング)のプレスセンターでのソウル外信記者クラブの記者との懇談会で「財団への参加は今すぐ短期間内に被告企業の寄与があるとは予想していない」と語った。また「ただし、日本政府も民間企業の寄付には反対しないと表明しているし、韓日関係が進展することで開かれている扉を通じて(今後)寄与する可能性は閉ざしていないので、長期的な期待と理解していただければ良いと思う」と付け加えた。

 この高官は、全国経済人連合会(全経連)と日本の経団連(日本経済団体連合会)が「未来青年基金」(仮称:未来基金)を共同で造成することについては、「両国の経済界で議論されている未来基金には被告企業の参加があるものと予想している」と述べた。未来基金は全経連と経団連が共同で基金を造成して留学生支援などに使う事業で、強制動員賠償とは関係がない。しかし、経団連には強制動員賠償訴訟の被告企業である三菱重工業と日本製鉄が会員企業として加盟しているため、一部では未来基金の造成が日本側の「誠意ある呼応措置」のひとつだと主張してる。

 この高官は「今、被害者が政府発表に反対しているという話が出ている」という質問に対しては、「判決金を第三者である財団が支給しても法律的に問題はないという国内の権威ある専門家の助言を受けて解決策を用意しただけに、この問題も法律的訴訟が提起されればそれに合わせて対応していく予定」だと述べた。財団が代わりに返済する判決金を被害者が受け取らない場合は政府が「対応」するということだが、この当局者が述べる対応とは、支援財団が日本の被告企業から債務を引き受ける供託手続きのことだとみられる。6日には外交部の高官が「法理的には(被害者が)判決金(賠償金)を最後まで受け取らなければ供託が可能だと認識している」と述べている。被害者側は財団が供託を強行すれば無効訴訟に打って出るとしているため、財団と被害者とが法廷で争うことになる可能性は高い。

 外交部は、第三者弁済が終われば、被告企業は請求に対する異議を最高裁判所に申し立てるというやり方で強制執行の手続きから脱するだろうと明らかにした。外交部の高官は「被告企業が裁判所に申し立て、判決金が支給されたのでもはや債務はないと裁判所が請求異議申し立てを認めれば、それをもって日本の被告企業は法律的な意味から解除されると予想している」と語った。

シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1083097.html韓国語原文入力:2023-03-10 17:52
訳D.K

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