8日、ソウル鍾路区(チョンノグ)の旧日本大使館前で、「第1586回日本軍性奴隷制問題解決のための定期水曜デモ」が開かれた。同日の集会は6日、外交部が発表した日帝強占期(日本による植民地時代)の強制動員被害者賠償案を糾弾するものになった。被害者に同意も求めずに一方的に「第三者弁済」方式を強要するのは明白な「二次加害」だ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は今からでも日本側の謝罪と賠償を引き出すための方策を講じなければならない。
同日の集会に参加した人たちは「被害者の人権と尊厳を無視した屈辱的な強制動員『解決策』を直ちに撤回せよ」と求めた。7日、国会本庁前で開かれた「緊急時局宣言」で、強制動員被害生存者のヤン・クムドクさんとキム・ソンジュさんも賠償案を撤回せよと声を高めた。ヤン・クムドクさんは「今回のように悔しいのは初めて」だとし、「そのような汚いお金は飢え死にしても受け取らない」と語った。30年以上にわたり法的闘争をしてきた94歳の2人のお年寄りの叫びは、彼らが尹錫悦政権の賠償案で測り切れないほど大きく、また深い侮辱感を味わっていることを示している。
同日、尹大統領は賠償案について「これまで政府が被害者の立場を尊重しながら韓日両国の共同利益と未来の発展に合致する案を模索してきた結果」だと述べた。この発言は尹大統領が強制動員被害者をどのように認識しているのかを如実に表している。日本側の「謝罪」と「賠償」への参加さえない第三者弁済方式を被害者の立場尊重と主張するのは、被害者の闘いをほかでもないお金の要求だとみなしたという意味だ。また、被害者を自分の外交戦略の前に置かれた障害物と捉えていると言っても過言ではない。
尹大統領は「韓日間の未来志向的協力は、韓日両国はもちろん、世界全体の自由、平和、繁栄を守ってくれるだろう」とも述べた。たとえ尹大統領が掲げた大義名分を認めるとしても、帝国主義における暴力の被害者の人権と尊厳はもちろん、被害事実まで無視して、どうやって「自由、平和、繁栄」を守るというのか。国家人権委員会が7日、声明を発表し「日本企業と政府が不法行為を認め被害者と家族に謝罪するのは、韓日両国の未来志向的な協力関係の設定のために必ず必要なこと」だと強調したのもそのためだ。
2015年の慰安婦「解決策」と2023年の強制動員「解決策」は、被害者中心主義を捨て被害者に二次加害をしたという点で、根本的に同じだ。被害者を消して未来に進むことができないことを、私たちは再びどれほど高い授業料を払って学ばなければならないのか。