キム・ヨジョン朝鮮労働党中央委副部長は20日、「太平洋を我々の射撃場として活用する頻度は、米軍の行動の性格にかかっている」と明らかにした。
キム氏は同日早朝、北朝鮮の官営の「朝鮮中央通信」を通じて発表した実名談話で、「最近、朝鮮半島地域で米国の戦略的打撃手段の動きが活発になっていることを明確に認識している」とし、このように述べた。さらに「我々はそれが我が国の安全に及ぼす影響関係を緻密に確かめており、直接的かつ間接的な懸念があると判断される時には、相応の対応に出ることをこの機会に改めて既成事実化したい」と強調した。
キム氏の談話は、北朝鮮が超大型放射砲(短距離弾道ミサイル)2発を東海(トンヘ)上に発射した時点に合わせて公開された。前日発表した談話で明らかにした「敵の行動の一つひとつを注視し、我々に対する敵対的な行動に対しては、それに相応する非常に強力で圧倒的な対応を実施する」という主張が空言ではないことを強調する狙いがあるものとみられる。
キム氏は、18日に北朝鮮側が撃った大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星砲15型」と関連した韓米情報当局や専門家など外部の分析に対し、詳しい技術的反論も行った。弾頭再突入技術の確保や固体燃料化、奇襲発射能力などが、その代表的な内容だ。
これと関連し、キム氏は「明確に言うが、我々は満足できる技術と能力を保有しており、今やその数字の拡大に注力することだけが残っている」と述べた。さらに「未熟な青二才たちがガヤガヤ言うことをそのまま信じても、実際に米国と南朝鮮が直面した危機は変わらないだろう」と付け加えた。
まずキム氏は「過去にも説明したが、もし弾頭の大気圏再突入が失敗した場合は、弾着の瞬間まで弾頭の信号の資料を受信できなくなる」として、北朝鮮が弾頭の再突入技術を確保したことを主張した。これと関連して韓米情報当局は、北朝鮮が中距離ミサイルの水準では大気圏再突入の技術を持っているが、ICBM級の再突入技術は持っていないとみている。16日に発表された韓国軍の「2022国防白書」も「北朝鮮のすべてのICBM発射実験は高角発射だけで行われており、米国本土を脅かせる射程の飛行能力は示したが、正常な角度での発射実験は行っておらず、弾頭の大気圏再突入などICBMの核心技術の確保についてはさらなる確認が必要」と明らかにした。
キム氏は「燃料のアンプル化」(固体燃料化)にすでに成功したという趣旨の主張もした。一部の専門家らは、18日の「火星15型」の発射に関する金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党中央軍事委委員長の命令から、実際の発射までは9時間余りかかった事実などを挙げ、「火星15型」の推進ロケットが液体燃料方式だと推定した。
キム氏はこれについて「発射に関する命令書には、午前中に発射場周辺を徹底的に封鎖し安全対策を講じた後、午後の時間帯の中で有利で適切な瞬間を判断し、奇襲発射することについての内容がある」と明らかにした。また「敵偵察機7機がすべて降り立った15時30分から19時45分の間の時間を選んで重要な軍事行動を取った」と付け加えた。燃料方式のために時間がかかったわけではないという意味だ。
キム氏は、韓米両国が北朝鮮の「火星15型」の発射の兆候を事前に把握できなかった可能性についても言及し「その時間に韓米の偵察機が行動しなかった」と指摘した。