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[社説]ICBMに続き「超大型放射砲」で韓国の韓米空軍基地を狙った北朝鮮

登録:2023-02-21 05:58 修正:2023-02-21 08:56
北朝鮮の金正恩国務委員長は昨年12月31日、超大型放射砲の「贈呈」式典で「南朝鮮全域を射程圏に置き、戦術核搭載まで可能な攻撃型兵器」と述べた/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮は、米国を狙った大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したわずか2日後の20日、韓国を狙った「戦術核攻撃手段」である短距離弾道ミサイル(超大型放射砲)2発を東海(トンヘ)に発射した。3月の韓米合同軍事演習を口実に、北朝鮮は韓国と米国を交互に威嚇し緊張を高めている。北朝鮮は、朝鮮半島情勢を悪循環に陥れる露骨な挑発をやめなければならない。

 北朝鮮は同日午前7時、東海上に短距離ミサイル2発を発射し、「600ミリ放射砲を動員し、発射地点からそれぞれ計算された395キロメートルと337キロメートル射程の仮想標的を設定」したと発表した。前日、韓米共同飛行で韓国と米国の空軍戦闘機が離陸した清州(チョンジュ)空軍基地と群山(クンサン)米空軍基地を狙ったのだ。仮想標的が韓米の空軍基地であることを公にして、「敵の作戦飛行場当たり1門、4発を割り当てておく程度の恐るべき威力を誇る戦術核攻撃手段」だと述べ、露骨に威嚇したりもした。

 北朝鮮は、今回の発射は前日の韓米合同訓練に対応したものだとして、韓米に責任を転嫁した。北朝鮮は18日、米国本土全域を射程距離内に入れた大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15型」を発射し、これに対応して19日に韓米の戦闘機が米国のB1B戦略爆撃機を護衛する合同空中訓練を実施すると、すぐに正面対抗に出たのだ。

 北朝鮮は、韓国を狙った弾道ミサイルの発射直後、米国に向けたメッセージも発した。「キム・ヨジョン談話」を通じて「太平洋を我々の射撃場として活用する頻度は、米軍の行動の性格にかかっている」と述べ、太平洋に向けてICBMを発射するという威嚇と米国の譲歩を要求するメッセージを込めたとみられる。北朝鮮のこうした戦術は、韓国を核で攻撃しても、米国が本土の安全を懸念し韓国を十分に防衛できないという「安全保障への懸念」を拡散させようとするものとみられる。こうした交互になされる挑発が繰り返されるほど、韓国内で自国の核武装の世論が広がり、これを通じて韓米間に対立を引き起こそうとする意図もあるとみられる。

 韓米の訓練が繰り返されるほど、これを狙った北朝鮮の挑発の強度は高まるが、いかなる突破口も見えない危険な情勢が近づいている。「力による平和の実現」の基本方針を繰り返し強調してきた韓国政府は、北朝鮮の挑発のたびに強硬なメッセージを発信し、韓米訓練と韓米日の安全保障協力の強調を繰り返しているが、実効性に対する疑問を消すことはできない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1080481.html韓国語原文入力:2023-02-21 02:38
訳M.S

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