韓国の気候政策目標と履行水準は、2年連続で国際社会の最下位グループである60位を記録した。
国際評価機関のジャーマンウォッチと気候研究団体のニュークライメイト研究所は14日、全世界の温室効果ガス排出の90%を占める60カ国(欧州連合を含む)を対象に気候政策と履行水準を分析し、このような結果が盛り込まれた気候変動パフォーマンス・インデックス(CCPI:Climate Change Performance Index )を発表した。
CCPIは毎年各国の最新政策とイシューを反映して発表される。4部門(温室効果ガス排出、再生可能エネルギー、エネルギー消費、気候政策)にそれぞれ点数が付けられ、国別の合計点が発表される。比重は温室効果ガス排出が40%で、残りの部分はそれぞれ20%。
今年の調査で韓国は「非常に低調」(24.91点)と評価され、最下位グループの60位にランク付けされた。具体的に温室効果ガス排出(10.51点)、再生可能エネルギー(3.49点)、エネルギー消費(5.93点)は「非常に低調」、気候政策(4.98点)は「低調」だった。韓国よりさらに悪い評価を受けた国はカザフスタン(24.61点)やサウジアラビア(22.41点)、イラン(18.77点)の3カ国だけだった。これに先立ち、韓国は同じ機関のランキングで2018年57位、2019年58位、2020年53位、2021年60位を記録した。
今回のランキングには、韓国が昨年末に発表した対2018年比40%削減を盛り込んだ2030年「国が決定する貢献(NDC:温室効果ガス削減目標)」の上方修正案、2050カーボンニュートラル(炭素中立)シナリオ、国際メタン誓約への加入などが反映された。しかし、CCPIの専門家らは、このような韓国の対応が依然として不十分だと分析した。
特に、専門家たちは韓国の再生可能エネルギー普及目標の縮小を批判した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は8月末、第10次電力需給基本計画実務案で、2030年の再生エネルギー発電比重を当初の30%から8.5%下げた21.5%に下方修正した。報告書では「韓国が2030年までに再生可能エネルギー発電比重を30%以上に上方修正し、石炭発電を止めなければならない」と強調されている。
一方、今回のランキングでは基準を全て満たす国がなく、総合1~3位は該当なしとなった。デンマーク(79.61点)が4位で最も高い点数を記録し、スウェーデン(73.28点)、チリ(69.54点)、モロッコ(67.44点)、インド(67.35点)が上位を占めた。温室効果ガス排出量1~2位の中国と米国はそれぞれ51位(38.80点)、52位(38.53点)を記録した。
気候ソリューションのチョ・ギュリ研究員は「昨年、韓国は相次いで気候目標を宣言したが、一部これに反する政策基調で今年も韓国が最下位圏に留まった」と指摘した。CCPI報告書の共同著者、ジャーマンウォッチのヤン・バーク先任顧問は「各国はエネルギー危機という外部的衝撃を再生可能エネルギーの拡大に集中し、化石燃料依存度を急速に下げられるようエネルギー効率を増進する機会にしなければならない」と強調した。