岸田文雄首相はカンボジアのプノンペンで開かれた韓日首脳会談後、強制動員被害者問題について早期解決を図ることで一致したと発言した。しかし、これに関し具体的な協議状況などについては言及しなかった。
岸田首相は13日の会談後、記者団に「旧朝鮮半島出身労働者問題(強制動員被害者問題)に関し、ニューヨークでの自分と尹大統領の指示を受けて外交当局間の協議が加速していることを踏まえ、懸案の早期解決を図ることで改めて一致した」と述べた。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と岸田首相は9月、ニューヨークの国連総会を契機に会合した。当時日本政府はこの会談を「歓談」と規定し、韓国政府は略式会談と呼んだ。岸田首相は「尹大統領と北朝鮮問題とともに『自由で開かれたインド太平洋(FOIP)』の実現に向けて連携していくことを確認した」とも述べた。岸田首相は、韓日首脳会談に先立って開かれた韓米日首脳会議については、「北朝鮮が前例のない頻度や態様で挑発行為を続けており、さらなる挑発行動も想定される。このような状況で日米、日米韓、日米韓の連携がますます重要になっている」とし、「北朝鮮の完全な非核化に向け、毅然と対応していくことで一致した」と記者団に語った。
韓日の公式首脳会談は、2019年12月に中国の四川省成都で開かれた文在寅(ムン・ジェイン)大統領と安倍晋三首相の会談以来2年11カ月ぶり。日本政府は最近まで、韓国最高裁の強制動員被害者賠償問題に関し、韓国が解決策を持ってくるまでは首脳会談は難しいという立場を示してきた。朝日新聞は、日本政府が態度を変えて首脳会談を行ったことについて、「北朝鮮による核・ミサイル問題がある」とし、「日韓は連携の必要性では一致しており、米国も日韓関係の改善を求めていた」と報じた。官邸幹部は「徴用工問題が解決しない限り、会談はできないというわけにはいかなくなった」と述べたと同紙は報道した。しかし岸田内閣の支持率は、安倍晋三元首相の国葬や旧統一教会問題などのため、先月のNHKの調査基準で38%と低調な状況だ。最近では「死刑のはんこを押す時だけニュースになる地味な役職」と発言した葉梨康弘法相が退くなど閣僚の辞任も相次いでいる状況だ。このような状況で岸田首相が韓日関係改善についてどれほど指導力を発揮できるかについては、日本国内でも懐疑的な見方が多い。