尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、最近北朝鮮がミサイルやロケット砲の発射などで武力示威を行っていることについて、「7回目の核実験の準備もすでに終えたものと判断される」と述べた。安保状況が厳しいだけに、国会が法定期限(12月2日)内に来年度予算案を処理しなければならないと強調したのだ。
尹大統領は25日、国会で開かれた2023年度予算案についての施政演説で、「北朝鮮は最近類例のない頻度で弾道ミサイル発射をはじめとする威嚇的挑発を続けている。これは国連安保理決議に対する重大な違反であり、国際社会に対する正面からの挑戦だ」とし、このように述べた。また「国民が安心して日常を営めるよう、韓米合同防衛態勢と韓米日安保協力を通じて、圧倒的な力量で対北朝鮮抑止力を強化する」とし「経済と安保の厳重な状況を克服していくためには与党も野党もない。国会の協力が切実に求められる」と述べた。
尹大統領は、安保の脅威に対応するために兵器先端化費用を来年度予算に含めたと説明した。彼は「ロボットやドローンなどの有人・無人複合兵器体系への転換のための投資、軍偵察衛星の開発、サイバー戦など未来戦場に備えた戦力拡充などのための投資も拡大する」と話した。予算案には、玄武ミサイルとF-35A戦闘機、パトリオットミサイルの性能改良と長射程砲迎撃システムによる韓国型3軸体系の高度化に5兆3千億ウォン(約5500億円)を投入する内容が盛り込まれた。ただし「北朝鮮が非核化の決断を下し対話の場に出てくるならば、就任の辞と8・15祝賀演説で明らかにしたように、韓国政府は『大胆な構想』を通じた政治・経済的支援を行う」と言及した。
尹大統領は経済安保も強調した。「産業と資源の武器化、サプライチェーンのブロック化という世界的な流れの中で、価値を共有する国家との協力が何よりも重要になった」として「激化する経済ブロック化の波に備えて経済安保力を強化しなければならない」と話した。続けて「サプライチェーンのリスクに対応するために、海外資源開発投資を拡大し、ニッケル・アルミニウムなどの鉱物備蓄と輸入先の多角化推進に3兆2000億ウォン(約3300億円)を投資する」と述べた。
大統領室のチェ・サンモク経済首席は、施政演説後のブリーフィングで「海外資源の開発が李明博(イ・ミョンバク)政権の資源外交を連想させる」という質問に対して「サプライチェーンが国家間競争の武器や対象として使われ、新型コロナウイルス感染症による断絶で困難を経験した」として「(今回は)多様な側面でサプライチェーン対応力を強化するものなので違いがある」と述べた。