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1日、国民の力のイ・ジュンソク常任選挙対策委員長、クォン・ソンドン、キム・ギヒョン共同選挙対策委員長を含む議員、党役員らがソウル汝矣島の国会図書館に設けられた「国民の力第8回地方選挙開票状況室」で、出口調査結果発表放送を視聴し歓呼している＝国会写真記者団//ハンギョレ新聞社

　6月1日の韓国地方選挙で、与党「国民の力」が大勝し、尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領は政権初期に国政運営の動力を確保することになった。少数与党国会と大統領選の「僅差」のため多少不安な出発を迎えた尹錫悦政権は、「国政安定」世論を確認しただけに、より攻勢的な国政運営に乗り出すものとみられる。

　尹大統領は一般に開放された青瓦台を視察した後、ソウル瑞草区（ソチョグ）の自宅で投票結果を見守った。大統領室はこの日の夜、「最終開票結果が出た後に立場を表明する」として言葉を控えたが、手ごたえを感じている様子だった。

　3月9日の当選後、尹大統領の時計は「地方選挙」を基準に回っていたと言っても過言ではない。0.73ポイントという歴代最小の差で当選した尹大統領にとって、地方選挙での勝利は切実だった。国会が野党の共に民主党の圧倒的優位という状況で、地方選挙も大統領選挙と似た「半分の勝利」に終わるなら、力を得るのが難しいからだ。

　尹大統領は当選者という立場を活用し、大邱（テグ）・慶尚北道、全羅道、釜山（プサン）・慶尚南道、仁川（インチョン）、忠清道、京畿道など全国を回りながら「当選の感謝の挨拶」を行った。この過程で主な地方選出馬者と日程を共にし、選挙介入との物議を招いた。当選者時代に報道担当を務めたキム・ウンヘ京畿道知事候補を含め、キム・テフム忠清南道知事候補、キム・ヨンファン忠清北道知事候補などの出馬に直接・間接的に関与し、「尹心（尹大統領の支援を受ける）」候補という言葉も登場した。

　尹大統領は、大統領選の延長戦といえる今回の地方選で勝利したことで、強攻ドライブをかけるものとみられる。大統領選後に停滞していた女性家族部の廃止など、政府組織法改正案の処理を含め、労働市場の柔軟性拡大など保守性の強い政策の実行を速めようとする可能性がある。尹大統領は5月16日の初の国会施政演説で「世界的な産業構造の大変革の過程で、競争力を向上させ多くの雇用を創出するためには、グローバルスタンダードに合った労働改革が必要だ」と述べた。ハン・ドクス首相も同月25日、重大災害処罰法を改正すると発言した。尹大統領は国会演説で、年金と教育の改革も強調している。

　前政権と関連する捜査も加速しうる。最側近であるハン・ドンフン法務部長官をトップに、検察の要職を尹錫悦師団で再編した状況で、産業部のブラックリスト疑惑やライム・オプティマス資産運用転売中止事件、大庄洞（テジャンドン）開発事業疑惑に関連する捜査が「システム」に則って動く可能性がある。尹大統領は2月、メディアのインタビューで「文在寅政権で違法と不正を犯した人々も、法とシステムに則り相応の処罰を受けなければならない」と述べた。

　明知大学のキム・ヒョンジュン教授（教養学部）は、「国民が尹錫悦政権の国政基調を認めたことを意味する」とし、「国民の力は尹錫悦式の自由民主主義、市場経済などのビジョンと政策を推し進め、巨大野党の民主党は一歩退くしかない状況になった」と述べた。

　国民の力は国会で存在感を増すものとみられる。17の広域自治体首長選挙で、12地域で勝利した国民の力指導部は、同日夜11時50分頃、状況室に集まって祝賀行事を行った。クォン・ソンドン院内代表は、「大統領選に続き地方選までわが党が勝利したことで、真の意味での政権交代が完成したと思う」とし、「責任を負っただけに、国民が失望しないよう、さらに頑張りたい」と述べた。

　国民の力は2018年6月13日の地方選挙で、大邱（テグ）と慶尚北道を除く全国で壊滅的な敗北を喫したが、4年ぶりに地域での権力を奪還した。昨年4月7日のソウル、釜山の市長補選・再選挙と今年の大統領選に続く連勝だ。国民の力は、国会下半期の院構成交渉で、法制司法委員長のポストを必ず確保するとして退かないものとみられる。

　専門家たちは、これからも政府与党が協治をおろそかにしてはならないと助言した。慶煕大学未来文明院のアン・ビョンジン教授（政治学）は、「尹大統領には政治資本ができた」としながらも、「民意を十分に受け入れ、統合の姿勢を示してこそ、国政運営に弾みがつくだろう」と述べた。